映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ROMA/ローマ」

 Netflixオリジナル作品でずっと観たいと思っていた映画、それがこの「ローマ」です。
 「パンダコパンダ」を観るためにNetflixに加入しましたが、この作品も観られて本当に良かったです。
 

youtu.be

 

ROMA | Netflix Official Site

 

作品データ映画.comより)
監督 アルフォンソ・キュアロン
原題 Roma
製作年 2018年
製作国 メキシコ・アメリカ合作
上映時間 135分
映倫区分 R15+

内容Official Siteより)
オス力一監督アルフォンソ・キュアロンが、ある家政婦を軸に描いた愛と家族の肖像。そこには誰もが共感できる想い出がある。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 僕は高校と大学合わせて3年間スペイン語を勉強していました。
 日常生活でスペイン語を使う機会はまるでないのですが、3年間勉強しておいて本当に良かった、と初めて思いました。

 僕が何故スペイン語を勉強し始めたのかというと、高校3年の選択授業でスペイン語を選択したところから始まります。
 世界の多くの国で使われている言葉は何かと考えたとき、英語の他にスペイン語だと思ったのです。
 スペイン語が出来れば、スペインはもちろんのこと、中南米に行ける、そこの人たちと話せる、と思いました。
 そして、大学に入り、僕の入った学科では、僕が入学した前年度まではドイツ語が第二外国語に指定されていたのですが、それがなくなったので、自由に選ぶことが出来、そのまま第二外国語スペイン語を選択しました。
 大学に入ってからは、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を原著で読みたいという気持ちにシフトしていきましたが(結局原著ではまだ読めていません…)、そういうわけで3年間スペイン語を勉強しました。
(ちなみに幸運なことに、大学では、ラテンアメリカ文学者で後に早稲田、東大に移った野谷文昭先生に習うことが出来ました。)

 話が逸れましたが、この作品で使われる言葉の基本的な部分はスペイン語です。
 1970年代のメキシコを舞台に、メキシコ内部の格差、学生運動とその鎮圧などが、家政婦であるクレオを通して描かれています。

 監督のアルフォンソ・キュアロンが実際に体験した出来事を随所に織り交ぜながら描いているそうで、スペイン語だけでなく、先住民の現地語であるミシュテカ語をクレオと同じ家で同じく家政婦として働くアデラは話します。
 住み込んで働いているのは「白人家庭」で、メキシコ内部の格差を反映させていますし、さらに、クレオは妊娠し、出産するのですが、セックス後、そして、妊娠を告げて逃げた男の元にクレオが訪れた際の彼の行動が、最初観たときには滑稽に感じるのですが、実はラストで大きな意味を持っていたことが明らかになります。

 僕が一番感動した場面は海辺でのシーンで、これはもう、ただただ作品を観て欲しいと思います。
 ワンカットで、観ているものを引き込んでいきます。

 観終わっても、何故この映画のタイトルが「ローマ」なのかわからなかったのですが、「ROMA」を反対にすると「AMOR」になることが後になってわかりました。
 アモール、つまり、「愛」です。
 恋愛とか、恋人を意味することもありますが、どちらにせよ、それの反対だということがわかると、この作品を観たときの感想が深まるのではないかと思います。
 タイトルの意味には気づけませんでしたがが、スペイン語で話している内容は大体わかったので、3年間勉強して良かった、と思いました。