映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「プライベート・ライフ」

 1ヶ月間のNetflixオリジナル作品鑑賞月間。
 今回もエスクァイアの記事で紹介されていた作品です。
 

youtu.be

 

プライベート・ライフ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト


作品データ映画.comより)
原題 Private Life
監督 タマラ・ジェンキンス
製作年 2018年
製作国 アメリ
配給 Netflix
上映時間 124分

内容(公式サイトより)
長い間、不妊治療を試みてきた40代の夫婦。選択肢が狭まっていく中、居候をしにきた義理の姪(めい)が協力を申し出る。彼女は夫婦の最後のとりでとなるか。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 僕はどうしてもこの手の話、不妊治療の話や作品を観ると居心地の悪さを感じてしまいます。
 それは現に(離れているけれど)子どもがいて、「不妊」という悩みは一切経験したことがないからです。
 もしかしたら、これから新しくパートナーが出来て、そこで不妊に悩む可能性があるかも知れませんが、それでもすでに僕の子どもがいるという現実は変わりません。


 そして、さらに居心地の悪さを感じるのは、僕自身は自分の遺伝子を残したいという気持ちが最初から全くなかったし、今もないからです。
 子どもを授かれなければ、養子を取れば良いと思っていましたし、そういう子どもたちがいるところで働きたいという気持ちも学生の時は抱いていました。

 この作品でも実際に養子という選択も考えるのですが、それでも自分たちの卵子精子、あるいは「自分で産む」ということに(強い言い方になりますが)執着します。
 それによって、散々自分の身体(夫側も無精子症が判明)も夫婦の関係も壊れ、お金も沢山かかります。
 さらには夫婦だけでなく、他の家族というか親戚との軋轢をも生んでしまいます。

 そこまでして自分(たち)の遺伝的な繋がりをもった子どもを持ちたいという気持ちが僕にはわからず、けれど、それを実際に子どものいる僕が表明して良いのかどうかという居心地の悪さを最後まで感じてしまいました。

 子どもを育てたいのなら自分の身体も夫婦の関係もこれ以上傷つけず、お金もかけずに養子を取るなり、子どもがいない2人の生活を大切に過ごすなど、その葛藤が直接的にも間接的にも描かれるのですが、やはり僕には深く共感することは出来ませんでした。

 最後の場面は、それでもそう来るか、というとても印象的なシーンではあったのですが。