映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ビースト・オブ・ノー・ネーション」

  1ヶ月間のNetflixオリジナル作品鑑賞月間。
 今回もエスクァイアの記事で紹介されていた作品です。 

 

youtu.be

 

Beasts of No Nation | Netflix Official Site

 

作品データ(映画.comより)
原題 Beasts of No Nation
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
製作年 2015年
製作国 アメリ
配給 Netflix
上映時間 136分

内容Official Siteより)
西アフリカのとある国で内戦が勃発。家族を引き裂かれた少年は、武装集団に入ることを強要され、少年兵へと変貌していくのだった。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 映画ですが、ドキュメンタリーに近い要素を沢山取り込んだ作品でした。
 西アフリカのとある国の紛争地域の中立地帯に暮らしていた一家。
 学校では授業が行われず、クズを拾い集め、中立地帯に駐留している兵士に売り、お小遣いをもらう、紛争中だけど一見「平和」に見える生活。

 けれど、そこはやはり紛争地帯で、ある日突然中立地帯も関係なく、暴力にさらされる。
 母と小さな赤子である妹はなんとか車に乗って逃れることが出来たけれど(無事かどうかはわからない)、父が目の前で「処刑」され、兄も撃たれて殺される。

 何とか生きのびた少年は、武装集団に遭遇し、少年兵として迎えられる。
 生きる為にはそれしか選択肢はなく、人を殺す場面にも幾たびも遭遇し、自分が人を殺すことも徐々に「慣れて」いく。

 最終的には、国連軍に遭遇することで、更生への道を歩んでいく様子が描かれます。

 あくまでもこの作品は「フィクション」として描かれていて、アフリカを舞台にしていて、実際にアフリカが多いけれど、この作品で描かれている出来事は今も世界の各地で起きていることです。

 きれいごととして描かず、まるでドキュメンタリーかのように安定していた日常から一転する様子、混乱、そして処刑、少年が人を殺しいく過程。
 また、少年兵同士の友情とその友も死んでいく様子。
 紛争が終わっても残り続ける苦しみ。
 観るのがつらい場面もあるかも知れませんが、是非多くの人に観てもらいたい作品です。