映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ジョーカー」

 昨日書いた、春風亭昇りんさんの落語会の打ち上げで、映画の話になりました。
 3人とも結構映画が好きなようで色んな映画の話になり、今観たい映画などの話になったのですが、その時、春風亭昇りんさんと企画の1人で画家の辻美保子さんがオススメしていたのがこの「ジョーカー」です。
 同じく企画の1人で画家の島田優里さんは使われている楽曲に性犯罪で服役中のゲイリー・グリッターによる「ロックン・ロール・パート2」があることを知っていて懸念を示していたのですが、いつも聞いているラジオ番組(たまむすび)で映画評論家の町山智浩さんがこの作品について語っているのを聞いていて、観たいなと思っていたので、映画館で観てきました。 

 

youtu.be

 

映画『ジョーカー』オフィシャルサイト


作品データ映画.comより)
監督 トッド・フィリップス
原題 Joker
製作年 2019年
製作国 アメリ
上映時間 122分
配給 ワーナー・ブラザース
映倫区分 R15+

ストーリー(オフィシャルサイトより)
本当の悪は、人間の笑顔の中にある。
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。
都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気あふれる〈悪のカリスマ〉ジョーカーに変貌したのか?切なくも衝撃の真実が明かされる!

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 この作品を(高いお金を払ってまで)映画館で観ようと思った最後の一押しは、プチ鹿島さんのコラムを読んだからです。
 

bunshun.jp

 
 鑑賞後の感想ですが、何回も観たという評判を聞いたり、昇りんさん曰く観終わったあと「人と肩がぶつかって、『あっ?』とかなっちゃう」という感じだったそうなのですが、多分それは、ジョーカーになるアーサーに感情移入してしまうから、自分もジョーカーになってしまうからなのだと思います。
 実際に、映画の中でも沢山の人たちがジョーカーになるのですが、僕はアーサーの苦しみや、それを演じるホアキン・フェニックスの演技力には圧倒され、確かにアカデミー賞を取るかも知れないなと思いましたが、そこまで引き込まれることはありませんでした。

 何故かというと、上に載せた町山智浩さんの映画評や、さらに突っ込んでプチ鹿島さんがコラムで説いているように、この映画、あくまでも「コメディ」で「ジョーク」なんだと思ったからです。
 この作品、すごく良い!という人たちは、この映画の「意味」とか「現実社会」との対比を感じていて、ある意味自分たちも同じ情況に置かれていることを感じているから、ジョーカーに感情移入してしまうのだと思います。

 でも、僕は、これは壮大な「ジョーク」「コメディ」だな、と感じました。
 これを笑えない現実に生きているという「コメディ」な世界で自分たちが生きているという、その現実を描いた作品なのだなと感じました。