映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「俺の話は長い」

 先日、実家に寄ったとき、母から「面白いからとっておいたよ(録画しておいたよ)」と言われ、僕も新聞の書評で気になっていたので、観てみたテレビドラマが今回の「俺の話は長い」です。
 ちなみに、僕の家にはTVがないので、実家でしか観ることが出来ないので、あくまでも今の時点(11月2日分=第4話=其の8)までの感想になります。 

 

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俺の話は長い|日本テレビ

作品データ日本テレビより)
放送時間 土曜 22:00~(約50分)
放送期間 2019年10月12日~
放送国 日本
制作局 日本テレビ
脚本 金子茂樹

ストーリー(第1話)
すき焼きと自転車
岸辺満(生田斗真)は、喫茶店を営む母、房枝(原田美枝子)に寄生しながら暮らすニート。ある晩、姉の秋葉綾子(小池栄子)が夫の光司(安田顕)とすき焼き用の牛肉を携えて岸辺家にやってくる。
今回の訪問の目的は、マイホームの建て替え完成までの3か月間、娘の春海(清原果耶)も加えた家族3人がここで同居する許可を取り付けるためのものだった。
すき焼きが嫌いな満は「オレに相談に来といてすき焼き出すのはあり得ないよね。何か手土産を持って行こうと思ったら相手の好き嫌いを入念にリサーチするでしょ?クライアントの嫌いなものを贈るってビジネスの世界で一番やっちゃいけないことだからね」「ニートの分際でビジネス語るんじゃねぇよ!」と怒る姉の頼みを「ダメにきまってんじゃん」と断固拒否、「相談した私がバカだった」と怒り心頭の綾子。
するとそこに今日は来ないと言っていた春海がやってきて-。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 コーヒー店を9か月やっていたけれど、うまくいかず、その後6年間ニートをしている31歳の満(みつる)を中心とした家族の話です。
 母と2人で暮らしていた家に、マイホーム改装の為ということで姉家族3人が同居することに。
 ここから家族5人での生活が始まり、5人それぞれに変化が起きるという物語になっています。

 普段なら、まだ継続中の作品を★で評価を付けることはないのですが、これからどういう展開になったとしても、僕はこの作品、すごく良いな、と思い★を付けました。
 母と2人で働きもせずにどうやって生活しているのかというと母親が喫茶店をしているからで、それで生活している情況です。

 僕がこの作品の良いな、と思った点は3つあります。
 1つ目は1時間枠の中で話が2つに別れていて、わかりやすい構成になっている点です。
 2つに分かれているといってももちろん続いているので、全く違う話が展開すると言うことではないのですが、たとえば、1回目だと「すき焼きと自転車」「寿司とダンボール」と分かれています。
 家族の話って、どこを切り取るかで色んな見方が出来て、もちろん全部一つにつなげることも出来るのですが、それぞれを切り取ることによって全体を浮かび上がらせるのが良いなと思います。

 もう一つは、主人公満がニートだという点です。
 僕の兄は今(2年くらい?)ニート(というかひきこもり)です。
 満よりも年齢は上ですが、(どうやって稼いでいるのかわかりませんが)家には一応お金を少し入れているものの、年金暮らしの両親のいる実家に寄生しています。

 僕は兄とは小さな時から本当に仲が悪くて、話をすれば(文字通り)血を見るほどのケンカになるような関係です(ある意味正解だったのかもしれませんが、結婚式にも来ませんでした)。
 なので、ニートでもまぁ、お金入れてるみたいだし、生きてるんだったら良いんじゃない、と背中を押してもらえたと同時に、満の姉綾子が、弟が働いているという嘘を周囲にしている心境もわかるような気がします(僕は仲が悪いので嘘つく必要もなくこうやって公にしていますが)。
 実家にやってきた綾子と満は度々ケンカをするのですが、それでも、ケンカ出来るということは、それは信頼しているから、憎しみに変わることがないからとも言えるわけで、正直羨ましいな、と思います。
(僕らが今ケンカしたら、血を見るどころか警察沙汰になると思います。)

 最後に、もう一つ良いなと思ったのは、綾子の娘春海と満との関係です。
 親子でなく(ちなみに綾子は再婚なので光司は継父)、ある意味斜めの関係だからこそ話せることもあるという人が近くにいるというのが良いな、と。
 春海にとっての祖母房枝もある意味斜めの関係かも知れませんが、年齢が遠すぎて話せないこともあると思うのですが、比較的年齢の近い満だからこそ話せることがある。
 そういう斜めの関係(別にそれが血縁関係になくても)の存在がいるって、とても良いなと思います。
 それはきっと春海にとってだけでなく、満にとっても良い関係なのだと思います。

 ちなみに僕が1番好きな話は第2話其の4の「コーヒーと台所」です。
 ネタバレしちゃうので詳しくは書けませんが、母、姉綾子、満の3人がみんなそれぞれ後悔しつつ、けれど、元に戻したいという、たった一言を言えないところがすごく現実的で繊細な話でした。