映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

齋藤真行、さいとうれい『ぼくにはなにもない』

 Amazonで突然表示された本です。
 単行本は高かったのですが(1300円くらい)、電子書籍だと500円くらいだったので、思わずこのタイトルに惹かれ、読んでみました。 

 


ぼくにはなにもない

 

JRC一手扱い― 愛本出版


内容(愛本出版より)
「ぼくにはなにもない。 家族も、恋人も、生きがいも、やる気も、健康も、生きる意味さえも・・・」 中年男性の〈ぼく〉が問いかける、「幸せの在り処」の物語。多くの人が認めるようなものをなにも持たないとき、 どう生きることを肯定できるか、どこに幸せを見つけられるか。こうした心の深い疑問に答えようとする、小さなイラストと 文章による物語です。人生の「これまで」と「これから」を考えている方々に、ぜひ読んで頂きたい作品です。

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 絵本というか、元々は少し長めの詩なのだと思います。
 タイトルを見て思わず手に取ってしまった本なので、何が書いてあるのかも分からなかったのですが、タイトル通り「なにもない」「ぼく」による詩のような文章と、それに合わせたイラストが載っています。

 僕は今というか、この1年半ちょっと本当に「なにもない」ことを実感しています。
 出版元の内容紹介から引用すれば、「家族」も「恋人」も「生きがい」も「やる気」も「健康」も「生きる意味」も「なにもない」状態が続いています。
 後半の部分は元々なかったような気もしますが、それでも「なにもない」ことに変わりはありません。

 詩のような短い文章なので何度も読み返すことが出来、その度に勇気づけられたり、それでもやっぱり「なにもない」な、と思ったりするのですが、なんだか何回も読み返してしまう本です。

 内容の後半では「なにもない」からこそ見えてくるものがあるというような希望的なことが書かれているのですが、今の僕はまだそこまでの心境にはなれないということをかみしめつつも、けれど、それでも「ぼくにはなにもない」けれど、それでも今日もというか、この一瞬を生きて行けそうな気がします。