「ドント・ウォーリー」
ウォッチングリストに入れておいた作品がAmazonプライムで観られるようになっていったので観てみました。
チェックしていたのは、新聞での映画評で気になったからです。
(評・映画)「ドント・ウォーリー」 怒りと憎しみからの再生:朝日新聞デジタル
ドント・ウォーリー (字幕版)
映画「ドント・ウォーリー」公式サイト 2019年5月3日公開
作品データ(映画.comより)
監督 ガス・バン・サント
原題 Don't Worry, He Won't Get Far on Foot
製作年 2018年
製作国 アメリカ
上映時間 113分
配給 東京テアトル
映倫区分 PG12
ストーリー(公式サイトより)
アルコールに頼る日々を過ごしていたジョン・キャラハンは、自動車事故に遭い一命を取り留めるが、胸から下が麻痺し、車いす生活を余儀なくされる。絶望と苛立ちの中、ますます酒に溺れ、周囲とぶつかる自暴自棄な毎日。だが幾つかのきっかけから自分を憐れむことを止めた彼は、過去から自由になる強さを得ていく。そして、持ち前の辛辣なユーモアを発揮して不自由な手で風刺漫画を描き始める。人生を築き始めた彼のそばにはずっと、彼を好きでい続ける、かけがえのない人たちがいた・・・。
59歳で他界した世界で一番皮肉屋な風刺漫画家の奇跡の実話。
勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆
感想
とても良い作品でした。
何が良かったのかというと、「ジョーカー」でも主演だったホアキン・フェニックスの演技だったり、(感想は書いていませんが)「ドラゴン・タトゥーの女」以来好きな俳優のルーニー・マーラ(「キャロル」も印象的でした)が出ていたこともあるのですが(この作品がきっかけで2人は結婚)、何よりも始まりが、人生のドン底とも言える所から描かれているところです。
アルコール依存症が原因で、酔った友人が運転する車に同乗し、交通事故で殆ど身体を動かせない状態になるジョン・キャラハン。
リハビリを始め、アルコール依存症とも向き合い、AA(アルコホーリクス・アノニマス、アルコール依存症者の自助グループ)に行き、そこで出会った人たちと向き合うことで、自分が何故アルコールに依存しなければ生きられなかったのかを向き合う。
そこで12のステップを進めていくと同時に、大学に通い、風刺絵を描くことで認められるようになっていく。
アルコール依存症者のグループでの言葉で印象的だった言葉があります。
自分を憐れんでる(プア)から
”1杯注いで”(プア)ってなるのよ
アルコールに限らず、これはもの凄く的を射ているな、と思いました。
自分をいかに憐れむことなくすることが出来るか。
自分で自分を憐れんでいるから、何か、アルコールやくすりや何でも良いですが、助けを求め、依存してしまう。
まずは、自分を憐れむことを止めないと、と自分自身にも言われたような気がします。
また、最も親しく接してくれたAAのリーダーでもあるドニーの言葉もとても印象的でした。
君は毎日闘い
痛みは永遠に残るだろう
恥も永遠に残る
でも闘わなければ死ぬんだ
痛みも恥も永遠に残るし、毎日闘わないといけない。
けれど闘わないと死んでしまう。
これは厳しい言葉にも聞こえますが、僕の実感としてもそれは小さな闘いかも知れないけれど、「闘い」という表現にしてくれたようで、なんとか生きている今が逆にすごく大切なもののように感じられるようになりました。