映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

相田みつを『相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 逢』

 先日書いた益田ミリさんの『世界は終わらない』と同じく、古本屋で目に留まったので手に取った中の一冊です。
 相田みつをさんの詩って読んだことがあるようで(わりと好きなのは「人の為と書いていつわりと読むんだねえ」です)、一冊の本としては読んだことがなかったような気がするので読んでみました。

 


相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 逢 (角川文庫)

 

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 逢 相田 みつを:文庫 | KADOKAWA

 

内容KADOKAWAより)
「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」不安なとき、心細いとき、悲しいとき……人生によりそう言葉の数々を厳選した『にんげんだもの 逢』を、いまこそ読みたい内容にリニューアルした決定版。

勝手に五段階評価
★★★★☆

感想
 この文庫版は割と最近出版されたもので、東日本大震災後に編纂されことが相田さんの息子さんによるあとがきには書かれています。
 今回は相田さんの詩と書が載っているのですが、僕が一番良いなと思った作品を挙げてみます。

 

一番わかっている
ようで一番わから
ぬこの自分


 「その通り」というしかない言葉だな、と思います。
 けれど少し希望があるのは、「わからない」ということが「わかってきた」のが年を重ねてくる毎だということです。
 最初はわかっていたのにわからなくなってきたとすればかなりさみしい感じがしますが、自分のことをわかっていないということをわかってきたのは年を重ねる毎に深まってきている気がして、だからこそ、色々試行錯誤してみたりするわけで、それはそれで良いことなのかもしれないな、と思ったりします。

 他にも「いのちの根」という詩は(あえて載せませんが)、ちょうど仕事が最後の時期に読んだということもあり(最後何故か柔和になってきたと思ったら、やっぱり最後の最後も上司がマウント取ってきました…)、支えられるというか、何も言わず耐えることも自分にとっては何か必要なことなのかもしれないと感じました。