映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「20センチュリー・ウーマン」

 観たいなぁ、と思っていた映画がAmazonで観られるようになっていたので観ました。
 多分、ウォッチリストに入れていたのは、新聞で取り上げられていたからかなと思います(歴史がつながって今がある 「20センチュリー・ウーマン」:朝日新聞デジタル)。
(いつものことですが、チェックしていても、観られるようになる頃には、数年経っているので曖昧です…)

 


20 センチュリー・ウーマン(字幕版)

 

作品データ映画.comより)
監督 マイク・ミルズ
原題 20th Century Women
製作年 2016年
製作国 アメリ
上映時間 119分
配給 ロングライド
映倫区分 PG12

あらすじシネマトゥデイより)
1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談する。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 物語の内容はまさに、タイトル通り、「20世紀の女性たち」です。
 第二次世界大戦前に生まれ40歳で一人息子を出産し、シングルマザーであるドロシアと息子であるジェイミーを中心に、彼が15歳である1979年のひとときを描いています。

 ドロシアだけでなく、他に出てくる女性としては、ルームシェアしているアビー(25歳)、ジェイミーの幼なじみのジュリー(17歳)です。
 また、ドロシアの家の管理人であるウィリアムと、3人の女性たちと2人の男性が登場します。

 この映画がとても良いと思ったのは、ドロシアとジェイミーの親子を巡る物語でありながらも、タイトル通り、20世紀の女性たちが抱える状況を描いている点です。
 それは、20世紀だけの問題でもなく、例えば、子宮頸がんだったり、フェミニズムだったり、妊娠への恐れだったりと、今でも変わることのない問題です。
 今でも問題であるということ自体が「問題」であるということはとても皮肉なことなのですが、それでも、今、「問題である」とされていることの萌芽が描かれていること、また、性やニコチン依存や家族、男女との関係は、20世紀だけでなく、普遍的なテーマだと思います。

 1979年を描いていますが、その後も語られていて、それは少しのかなしみを感じるものの、それでもこういう時を過ごせたということは、それはそれで幸福なひとときだったのだろうと感じました。