映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「2ガンズ」

 Amazonでの評価が高かったので、知らなかった作品ですが観てみました。
 改めて僕はバディものが好きなんだな、と感じました。 

 


2ガンズ (字幕版)

 

youtu.be

 

2ガンズ|ソニー・ピクチャーズ公式


作品データ映画.comより)
監督 バルタザール・コルマウクル
原題 2 Guns
製作年 2013年
製作国 アメリ
上映時間 109分
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

ストーリー(公式サイトより)
麻薬取締官(DEA)のボビー(デンゼル・ワシントン)は海軍情報部将校のマイケル(マーク・ウォールバーグ)と潜入捜査のためお互いの正体を知らぬまま、メキシコの片田舎でマフィアの手先としてコンビを組んでいた。組織のしっぽを掴み彼らの金を強奪すれば、晴れてエリート捜査官に戻れるはずだった二人。ところが手にした4000万ドル=約40億円という大金は、相棒であるマイケルの裏切りで忽然と消えてしまう。マイケルも海軍の上司の裏切りからこの大金を失ってしまう。しかし、この大金・・・実はCIAの裏金でもあった。 この汚れた40億円を取り戻すべくボビーは再びマイケルと手を組むが、麻薬取締局(DEA)、海軍情報部、CIA、マフィアに二人は追い詰められ-。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 主人公の2人を演じる、デンゼル・ワシントンマーク・ウォールバーグの上手さはもちろんのこと、作品全体のリズムもとても良かったです。

 僕の中では「あぶない刑事」から始まり、映画だと「探偵はBARにいる」シリーズ、そしてこの「2ガンズ」とバディもの、そしてちょっとしたアクションのある作品が好きなんだなと、実感しました。
 「あぶない刑事」はまたちょっと違うかも知れませんが、3つに共通するのは、自分たちが「正しい」と思うことをする、という点です。
 それがパートナーを一瞬傷つけるような、危険な目に遭わせることになったとしても、結果的には致命傷に至らすことはなく、「自分たち」を信じて行動する。
 それが何よりも僕が惹かれるのだと思います。

 この作品では、実はお互いの素性を知らずに、それぞれが潜入捜査官、海軍下士官という身分で、上からの命令である人物を逮捕するために作戦を実行するもの、思わぬ展開、上に載せたストーリーにあるように、麻薬取締局、海軍、マフィアだけでなく、CIAまで出てくるという展開になっています。
 何人も人が殺され、死んでいくのでその点は注意が必要ですが、真っ正面から描いているシーンはそこまで多くないので、「ジョーカー」のようにR15+にする必要なないかと思いますが、小さな子どもと観る場合は気を付けた方がいいと思います。

 大金を巡る様々な組織に翻弄される物語、そしてそれをかいくぐっていく爽快さを感じる作品ですが、組織に簡単に切られてしまう様子だとかは「あるわ」と思わず納得してしまう内容になっていました。

最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』

 先日寄った本屋さんで最果タヒさんの詩集が気になったのですが、単行本で高いので買おうかどうか悩んでいたときに、ちょうど新聞で最果タヒさんの言葉が2日続けて紹介されていました。

 

digital.asahi.com

digital.asahi.com

 
 紹介されていた言葉が良かったので、詩集ではなかったものの文庫だったので手に取って読んでみました。


きみの言い訳は最高の芸術 (河出文庫)

 

きみの言い訳は最高の芸術 :最果 タヒ|河出書房新社


内容河出書房新社より)
いま、もっとも注目の作家・最果タヒが贈る、初のエッセイ集が待望の文庫化!  「友達はいらない」「宇多田ヒカルのこと」「不適切な言葉が入力されています」他、文庫版オリジナルエッセイも収録!

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 この本は詩集ではなく、あくまでもエッセイで、とても特徴的な文体なのですが、それでいて読みづらさを感じさせることはなく、気になった文章を付箋をしていたら付箋だらけになってしまいました。

 まずは今、何故僕が詩をこんなにも読みたいと思っていて、Instagramでも自分の詩や短歌を書くようになったのか、ということを鏡に反射されるかのように感じた文章を載せてみます。

でも、とにかく孤独である人にとって、世界との関わり方がわからない人にとって、好きなものを見つける、というのは孤独や孤立感からの突破口だと思う。


 今、すごく孤独です。
 そして、世界との関わり方もわかりません。
 けれど、小さな時から詩のようなものを自分で書いてきたのと、誰かが書く詩を読むのも好きです。
 また、写真を撮るのも好きで、その二つが組み合わさった結果、Instagramで写真と共に詩や短歌を載せるという形になった気がします。
 まだまだ突破口になっている感覚はないのですが、振り返ったときに突破口になっていれば良いな、と思います。
 今までは、なんというか、自意識が邪魔をして、「僕はこれが好きです」ということを表明することがすごく恥ずかしかったのですが、そんな自意識はただの自意識でしかなく、そして、孤独だからこそ、自意識など気にしている場合じゃなくなったので、載せることが出来るようになったのだと思います。

 何故僕がとりわけ詩が好きなのか。
 そして、なぜ、僕がブログを書いたり、詩や短歌を書いたりと「言葉」にこだわるのか。
 二つの文章を続けて載せてみます。

小説や新聞の言葉が、物語や情報を伝えるために書かれるのに対し、詩にはそうした目的がない。そして、だからこそ私は、言葉によって切り捨てられてきたものを、詩の言葉でならすくいだせると信じている。詩の言葉は、理解されることを必要としていない。人によっては意味不明に見えるだろうけれど、でも、だからこそその人にしか出てこない言葉がそのまま、生き延びている。

 

 言葉はきみの生中継。どんなことでもいいから話してほしい。うまく言えないことをうまく言えないまま、言葉にしてほしい。人と向き合うたびにそんなことを思う。だって、それ以外に人がその人らしく言葉を使う瞬間なんであるんだろうか。へたくそさが、あいまいさが、きみの細胞なんだと思っている。うまく話せないときほど、言葉の近くにいる感じがする。

 
 詩をInstagramに載せ始めたとき、やっぱり自意識が邪魔をしていたのですが、この文章を読み、背中を押してもらったがします。
 「詩の言葉は、理解されることを必要としていない。人によっては意味不明に見えるだろうけれど、でも、だからこそその人にしか出てこない言葉がそのまま、生き延びている。」「うまく話せないときほど、言葉の近くにいる感じがする。」
 うん、うまく言葉に出来ないし、理解されることを必要としていない部分があって、やっぱり言葉、詩って良いな、と改めて思いました。

「モバイルハウスのつくりかた」

 Twitterを見ていたら、坂口恭平さんを撮った映画がAmazonプライムで観られるようになっているということを知ったので観てみました。
 ちなみに坂口さんがどんな人なのかということを、紹介するのはとても難しいのですが、早稲田の建築学科を出た建築家なのですが、僕が最初に知ったのは、この映画のタイトルとも共通する『0円ハウス』という本です。
 何故知ったのかというと、坂口さんは建築を勉強しながらも、その内容は路上生活者の家を建築学的に調査したレポートだったからです。
 僕はちょうどそのくらいのころから路上生活者の方たちと関わらせてもらっていて、それを「建築」という視点で見ることにとても新鮮さを感じました。
 その後、震災があって熊本に避難し「新政府」を立ち上げたり、躁鬱病双極性障害)であることを公表しつつ、「いのっちの電話」と名付け、自分の電話番号を公表し、相談にのったり、小説を発表したりしているのですが、とりあえず、その坂口さんの特に東日本大震災前後の活動の様子を切り取ったドキュメンタリー映画です。

 


モバイルハウスのつくりかた

 

youtu.be

 

坂口恭平、初のドキュメンタリー映画『モバイルハウスのつくりかた』


作品データ映画.comより)
監督 本田孝義
製作年 2011年
製作国 日本
配給 戸山創作所、スリーピン
上映時間 98分

内容(公式サイトより)
建てない建築家・坂口恭平 初のドキュメンタリー
「建てない」建築家がいる。———名前は坂口恭平
「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷の熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、都市について、生活について根本的に考えることを始めた。
なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう? なぜ、私たちは身の丈に合った巣のような家を建てることが出来ないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品“モバイルハウス”の製作にとりかかる。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 Amazonのレビューを眺めると、このドキュメンタリーが撮られた時期(2010年前後)だとか、坂口さんの歩みを知らずに、ここ数年で割とセルフビルドとか、タイニーハウスとかで、自分の家を自分で作る、ということが浸透しているので、「目新しくもないわ」みたいな意見が書いてありますが、間違いなく、坂口さんは今の情況の前にセルフビルドとかタイニーハウスを始めていたことを考えて観るべきだと思います。

 また、レビューで酷評する意見を読んで思ったのは、ちゃんと内容見たのかな?ということです。
 坂口さんが注目したのは、一見見向きもされず、むしろ煙たがれている存在である野宿生活者(ホームレスと呼ばれる人たち)に注目し、その人たちが持つ経験や技術が、実は「色んなものを持っている」と思っている自分たちよりも「豊か」であるということを示そうとしたことです。

 それが既存の「建築」だったり、「野宿者」たちへの考え方を覆すものになっているのです。
 だから、坂口さんは注目されたし、こうしてドキュメンタリー映画になってもいるのです。

 タイトルの「モバイルハウスのつくりかた」という点で言えば、2011年の時点では相応しいタイトルだと僕は思います。
 先に書いたように、それ以降「タイニーハウス」や「セルフビルド」の本が沢山出てきたので、今自分でタイニーハウス、セルフビルドで自分の家を作ろうとすれば、他にも参考になる良書は出ていますし、ほぼセルフビルドすることが可能な支援をしてくれる会社もあります。

 なので、あくまでもこの作品は2010年前後の坂口さんの取組だということを念頭に観るべきであって、そうすると、やっぱり既存の建築への疑問だとか、野宿生活者から学ぶことが沢山あって、むしろ、色んなものを持っていると思っている自分たちの方が(今年の台風や大雨のように)ちょっとした出来事で一気に生活が困窮してしまうという弱さを抱えているということを浮き上がらせている、優れた内容になっています。

バスキア展

 次の仕事が年明けからなので、年末まとめて有給を消化して退職しようとしたのですが、出向先の人からかなり粘られ、所属している会社のもっと上の上司まで出てきて説得され、結局まとめて取る事が出来なくなりました。
 まとめて消化し、旅行にでも行こうと思っていたのですが、旅行に行けないどころか、有給が残りそうな感じです。
 直近の上司がパワハラ上司なので、「迷惑かけてるの分かってるの?」とか言ってきて、「2か月以上前に退職願出してますよね!?」とか口論になったのですが、とりあえず、有給を少しでも取ろうと(僕の仕事は1日休むのは中々難しいので)半休を取りました。
 後半休を取って、娘が通うスイミングスクールの見学日だったので、(最近会ってなかったのもあり)見学して、今週末で会期が終わってしまう、バスキア展に行ってきました。

バスキア展 メイド・イン・ジャパン | 森アーツセンターギャラリー - MORI ARTS CENTER GALLERY 

 

f:id:ysdnbm:20191112080254j:plain
(ZOZOの前社長が134億円?とかで買った絵)

 
 バスキアの作品をまともに観たのは初めてなのですが、ポップでありつつも、自分のルーツや政治的なメッセージ、絵と共に沢山の言葉(英語、スペイン語ラテン語など)が載っているのがとても印象的でした。
 そして、その教養の深さにも驚きました。

 が、それらの作品を観ていて考えていたのは、バスキアも27歳で亡くなっているということです。
 なんなんでしょう。
 何故みんな異才は27歳で死んでいくのか。
 僕の世代で言えばエイミー・ワインハウスが、もっと上の世代で言えばジャニス・ジョプリンが、The Doorsのジム・モリソンが、下の世代では28歳でしたがAviciiが、その年で死にました。

 僕は彼らのような異才ではありませんが、27歳の時は最初のうつのまっただ中で、僕もジム・モリソンのように死ねたらどんなに良いか、エイミー・ワインハウスの死の報道を目にしたとき、羨ましいとさえ思っていました。
 そして、今も時々、なぜあのとき死ななかったんだろうか、と思ったりします。
 あのとき死んでいたらどんなに楽だったか、良かっただろうかと。

 美術展自体は正直高いな、とチケットを買った時点は思ったのと(当日券2100円)、六本木って僕には何故かものすごく苦手な街で、森美術館とか六本木ヒルズとかもやっぱり苦手だったのですが、音声ガイドもセットだったのは良かったです。
 他の美術展だと大概音声ガイドは別料金なので、今回音声ガイドを聞きながらゆっくり鑑賞出来たのは良かったです。

 それにしてもなんであそこまで六本木や六本木ヒルズ森美術館が苦手なんだろうかと、答えもヒントさえも全く出なかったのですが、そんなことを考えながら帰りました。

「彼女がその名を知らない鳥たち」

 ウォッチリストに入れていた作品がAmazonプライムで観られるようなっていたので観てみた作品です。 

 


彼女がその名を知らない鳥たち

 

youtu.be

 

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」公式サイト|4.25(水)Blu-ray&DVD Release

 

作品データ映画.comより)
監督 白石和彌
製作年 2017年
製作国 日本
上映時間 123分
映倫区分 R15+
配給 クロックワークス

ストーリー(公式サイトより)
15歳年上の男・陣治と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎のことが忘れられずにいる女・十和子。不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って働きもせずに怠惰な毎日を過ごしていた。ある日、十和子が出会ったのは、どこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島。彼との情事に溺れる十和子は、刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。どれほど罵倒されても「十和子のためだったら何でもできる」と言い続ける陣治が執拗に自分を付け回していることを知った彼女は、黒崎の失踪に陣治が関わっていると疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめる――。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 物語はわからない所はないのですが、説明するのがとても難しい作品です。
 一緒に暮らす十和子を異常なまでに愛する陣治。
 一緒に暮らしているにも関わらず、体を触ることも出来ず(出来ても洋服の上からマッサージ)、食事も食費も何もかもをこなす陣治。
 十和子はただダラダラと何もせず、8年前に別れた男・黒崎が撮った映像を観ながら暮らす日々。
 あるきっかけで出会った時計店に勤める水島と肉体関係を持ち、親密になっていく。
 5年前に黒崎が失踪したことや、自分と水島の関係を知りつつ見守る陣治におびえ始める十和子。

 ところが、後半、いきなりその展開が逆転するというか、ひっくり返されます。
 何故黒崎が失踪したのか、陣治は何をしたのか、そして十和子は何をされたのか。
 恋愛映画とも言えるし、サスペンスとも言えるし、何と説明すれば良いのかとても難しい作品でした。

 一つ気になったのは陣治が十和子に向ける「愛」です。
 これは愛と呼べるのか、愛と呼んで良いのか。
 女性が観たらどんな気持ちになるのか、感想を聞きたい作品でした。

寮美千子編『空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集―』

  最近ちょっと精神的に体調を崩していて、あまりちゃんとした文章が読めないというか、詩が読みたいな、ということで、とりあえずAmazonで評価の高いものを見たら、以前読んだ寮美千子さんの『あふれでたのはやさしさだった』の前に出された詩集がトップに出てきました。
 『あふれでたのはやさしさだった』がすごく良かったので、手に取って読んでみました。

 


空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)

 

寮美千子/編 『空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―』 | 新潮社

 

内容(新潮社より)
受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ……。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった──「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 この本の中には寮美千子さんが奈良少年刑務所の「社会性涵養プログラム」の一つとして、一期6ヶ月、月に1度、90分行っていた「物語の教室」で18歳から25歳までの少年たちが作った詩が紹介されています。
 奈良少年刑務所に服役しているとはどういう少年たちなのかについてや、そもそも「社会性涵養プログラム」とは何なのか、何故寮美千子さんが関わることになったのかについては『あふれでたのはやさしさだった』を読んでほしいのですが、この本では、一期6ヶ月として月に1度行われていた「物語の教室」で少年たちが作った詩をあくまでもメインにおき、それに対して寮さんがコメントのようなものを載せています。

 僕がここに載っていた57編の詩の内、一番心にしみた詩を載せてみます。

まほうの消しゴム

なんでもかんでも 消せる消しゴム
いやなことや
いろんな人に迷惑かけたこと
こんな自分を 消せる消しゴム
そんな消しゴムが あったらいいな

 
 寮さんのコメントとしては、取り返しのつかない罪をしたから服役しているので、消しゴムで消すことなど出来ないのだけれど、と書いていましたが、この詩はたとえ法律的に罪を犯したことがなくても、とても響いてくる詩でした。

 僕には消したい「いやなこと」や「こんな自分」を消したいと思うことが沢山あって、わりと頻繁に「こんな自分」を消したいと思っています。
 消せてしまえればどんなに良いか。
 でも消すことが出来ない現実。
 生きていくしかない現実。
 だからこそ、僕にはとても響いてくる詩でした。

 詩集を読むと、その時の気持ちや情況で響いてくる作品が違うのも良いな、と思います。
 多分、この詩をうつになる前に読んでいたら、そしてそれよりも遙か前の高校生くらいの時に読んでいたら(その時はまだこの詩集は出版されていませんが)、全く違う詩が響いてきたのだと思います。

「ビューティフル・ボーイ」

 ウォッチリストに入れていた作品がAmazonプライムで観られるようになっていたので見てみた作品です。
 理由は後に書くとして、まず書いておきたいのは、もし、僕のように精神的に不安定な人は観ない方が良いと思います。 

 


ビューティフル・ボーイ (字幕版)

 

youtu.be

 

映画『ビューティフル・ボーイ』公式サイト

 
作品データ映画.comより)
監督 フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン
原題 Beautiful Boy
製作年 2018年
製作国 アメリ
上映時間 120分
配給 ファントム・フィルム
映倫区分 R15+

ストーリー(公式サイトより)
成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていた学生ニックは、ふとしたきっかけで手を出したドラッグに次第にのめり込んでいく。
更生施設を抜け出したり、再発を繰り返すニックを、大きな愛と献身で見守り包み込む父親デヴィッド。
何度裏切られても、息子を信じ続けることができたのは、すべてをこえて愛している存在だから。
父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした実話に基づく愛と再生の物語。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 
まず、最初に率直に観てみた感想ですが、死にたくなりました。
 というか、観ている間ずっと死にたいと思い、観終わったあとでも、あぁ、なんで死ななかったんだ、死にたい、と思いました。

 内容は、上に載せた公式サイトに載っているように成績優秀でスポーツ万能な青年(少年)がアルコールやドラッグに依存していく様子が描かれています。
 ニック自身からの視点でも描かれますが、同時に父親であるデヴィッドから見えるニックの様子も描かれます。

 「父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした実話に基づく愛と再生の物語」とありますが、僕には「再生」の物語には感じられませんでした。
 むしろ、一番肝心なところを(わざと?)描いていないように感じました。
 一番肝心なところとは、何故ニックがアルコールやドラッグに依存しないと生きていけないのか、ということです。

 僕も割と依存体質なので、多分、アメリカにいたら、ニックと同じようにドラッグに手を出し、挙げ句にドラッグだけでなく、銃を手にして自殺していたでしょう。
 僕からするとここまで苦しんでいるのに、何故ニックがそうしなかったのか、そうしないのか、不思議でした。
 ニックのどんどん強い刺激、強い薬に依存し求めていく気持ちがわかるだけに、何故直接的に「死」に向かわなかったのか、そこがわかりませんでした。

 そして、映画として、物語で一番肝心な、ニックが何故ドラッグやアルコールを使わないと生きていけなかったのか、その理由がぼやかされているのが非常に気になりました。
 観ていた僕にはこれが原因だろう、と思う部分があるのですが、何故かそれは直接的に触れられず、エンディングクレジットで「ニックは今も8年間の断薬を続けている」と流れるだけです。

 その「8年間の断薬」という表面だけ見れば「再生」に見えるかも知れませんが、原因に向き合ったのか、向き合った上での断薬なのかがわからず、物足りないというか、もやもやが残ってしまいました。