映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

新入社員

 まず最初に断っておきたいのは今から書くことは何が正しく、悪いか、あるいは良い悪いとか、そもそも誰かを糾弾したり評価したりするつもりもないということです。
 そのことをまず書かなければならない今の社会には少なくない絶望を感じるものの、ここに書くことは、僕の中にあるモヤモヤを書くことによって明らかにし、出来たならモヤモヤを解消したいな、という気持ちがあるからです。

 4月になって、僕が働いている会社に2名の新入社員が入ってきました。
 4月からというと、新卒をイメージするかと思いますが、僕と同じように僕が働いている会社では新卒での採用は行っておらず、2人ともが中途採用になります。
 たまたま採用時期、入社時期が区切りの良い4月になったという結果、2名が4月1日から入社しました。

 1人は結婚をしていて、乳児がおり、1人はパートナーと同棲を始めたばかりとのことです。
 仕事に関しては、まだ2週間が経ったばかりですし、研修期間ですし、評価する立場でもないで、よく分かりませんが、2人は僕がいる部署付けになっているので、仕事始めと終わりには僕がいる部署の部屋にいます。
 なので、朝だったり、休憩中だったり、仕事が終わりそうな時間に少し話をするのですが、その中で1人に対してはモヤモヤを通り越して、わかり合えないな、と思ってしまいました。

 何が分かり合えないのか。
 それは、ライフスタイルというべきもので、具体的には朝食を食べずに出勤してきていることや、週末何をして過ごしたのかという話で小さな子どもがいるにも関わらず自分が観たいアニメを観て過ごしたということだったり、それらが少しずつ澱となって、あぁ、この人とはわかり合えないな、と思ってしまいました。

 同じ部署には「男性で定時で帰る人」がいます。
 僕もその1人ではあるのですが、急いで帰る様子を見て、新入社員の1人が「○○さんは何かあるんですか?」と聞いてきたので、「(子どもの)お迎えですよ。」と言ったら、全く理解出来ていない様子でした。
 話の所々で感じる、育児家事をパートナーに任せきりの様子から、「男性が子どものお迎えに行く」ということが理解出来ないのだと思います。

 逆に僕としては、「あぁ、やっぱりこの人は理解出来ないのか。」と隣に座っているにも関わらずものすごく分厚い壁、あるいは隔たりを感じるのでした。

 僕が朝、早起きなこと、そして会社近くに住んでいることを知ったその新入社員は、起きて20分で家を出るとのことで、僕が家を出るまでの数時間、何をして過ごしているのかまるで分からない様子でした。

 また、もう1人の新入社員もわりとそそくさと定時に帰っていて、その様子から察すると、同棲を始めたパートナーに対して、「家で迎える立場」になりたいのか、あるいはならなければならない、と考えているのか、そこまでは分かりませんが、とりあえずパートナーを「家で迎える立場」になろうとしている様子が窺えます。

 僕がモヤモヤしているのは、新入社員2人ともに感じる、パートナーとの関係性です。
 僕はパートナーとは対等な立場であると思っていて、それは目に見える家事育児のバランスだったりで目に見えるものだと思っているのですが、少なくとも4月に入社した2人にはそういう考えはないのだな、と、むしろライフスタイルから、隔たりを感じるのでした。

 まぁ、僕が主夫だったということや、結婚した際には姓を妻側にした経験があるなど、今の日本の社会ではものすごく極端、あるいはマイノリティであったことも大きいのですが、けれども僕からすれば「昭和」と感じるライフスタイルを送っている一世代以上違う若者たちに、正直面食らっています。

 ここで、『わかりあえないことから』人間関係を始めるというのもあるのでしょうが、正直ただの仕事での関係だし、研修期間が終われば僕の部署からはいなくなるので、モヤモヤというか隔たりを感じながら過ごすことになりそうです。