映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

羅川真里茂『ましろのおと』

 (職場の人がずっと欠勤している上に引継ぎもあり)心底疲れ果てています。
 その中、仕事探したり(決めました。自分の中での本命は落ちたのですが、親と子どもたちは暮らす場所が近くなるということで喜んでいました。)、それに伴い引っ越しの準備したり(良い物件が見つかったものの、引っ越し自体はかなり面倒なので)、なんにもしたくないなぁ、というか、受動的にしか何も出来ない状態が続いています(骨の髄までという表現がありますが、脳の奥底までどんよりした感じです)。
(お金で解決するなら、引っ越しも業者にほぼ任せようかなぁ、とか考えたりしてます。)

 で、なんか本当にもう、受動的にしか動けなくなっているので、日本語のアニメでも、と、評価が高かったので観てみたところ、とてもよかったので、漫画も全巻購入し、一気に読みました。


ましろのおと

 

TVアニメ『ましろのおと』公式サイト

ましろのおと|月刊少年マガジン|講談社コミックプラス


内容講談社コミックプラスより)
津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者・澤村雪。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、様々な人々と出逢いながら今、自らの音を探す旅を始める。

感想
 最初にアニメから入ったのが自分としては良かったです。
 というのも、アニメだと、三味線の音が流れるからです。
 漫画だとどうしても音は想像するしか出来ませんが、アニメでは音があるので、三味線の音がありつつ物語が進むので、すんなりと物語の世界に入ることが出来ました。
 逆に、制作している人たちは、音で表現しているので、かなり大変だろうなと想像します。

 アニメを見ていたら、続きを早く知りたい、と思い、漫画を(大人買いして)読んだのですが、最初にアニメを見てから漫画を読み始めたので、漫画での表現もなんとなく音のイメージが出来て、一気に読むことが出来ました。

 ここまでハマった理由としては、まず主人公の澤村雪が終始津軽弁を話していることがあります。
 僕の父は青森出身で、特に仕事を定年退職してからたまに青森に行っているのですが、小さな頃僕が一緒に行ったとき、普段東京の言葉を話している父が津軽弁で話をしていて、何を話してるのか全然分かりませんでした。
 作品中でも、雪に向かって「外国人?」という反応が描かれていますが、僕の中でもそういう印象で、津軽弁は本当に、全く違う言語の様に聞こえます。
 で、作品を観て、読んでいるうちに、津軽弁を少しずつ理解できるようになり、青森ハーフ(?)の僕としてはなんとなくうれしく感じました。
 父が話している姿を見ることはないのですが、なんとなく自分自身のルーツを辿れたというような感じのうれしさです。

 また、三味線自体にも親しみがあって、実家には母の三味線と琴があり、僕が小さな頃は母がたまに弾いていました。
 僕自身は楽器は弾けないのですが、弾いてみたいなという気持ちがあって、中学生の時だったか、ギターには手を出したことがあるものの、結局すぐに飽きてしまいました。
 で、この「ましろのおと」を観て、その中で流れる音と、津軽三味線の歴史を知り、自分も弾いてみたいな、と思いました。

 津軽三味線の歴史は決して明るいものではないのですが、そのことに目をそらさずに描いている点がとても良く、また、しようとすれば簡単に出来るであろう「恋愛」にも持ち込まないところが良いなと思います。