映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

他の主夫と違うとわかった3つのこと

先日、ある大学(というか母校)から報告書が送られてきました。

タイトルは「多様な生き方のできる社会へ―lifeの社会学から―」というものです。

自分でも忘れかけていましたが、去年の秋に「主夫」ということでインタビューに応じたものが報告書になって送られてきたのでした。

誤字、誤記、事実と異なること表記などもあるため(この点をしっかり大学生の時に指摘しておくと、大学院に進んだりしたときにも基礎ができるため)、主に自分の所を丹念に読みつつ、他の「子育て主夫」のインタビューも読んでみました。

インタビューに応じたのが2つの団体(レノンパパファザーリング・ジャパン)の人たちというこで、僕は両方に関わっているので、(匿名になっているものの)実際に誰だかなんとなくわかりより面白く読めました。

そこで、他の子育て主夫と自分が違うな、具体的には「僕はそういう悩みはなかったな」と思うことがあったので、それは何なのか、僕はその他の人たちが悩んでいたことにどう対処していたのかを書いてみたいと思います。

1.ママ友、パパ友が欲しい

他の子育て主夫の方は基本的に、育児を通じての友だちを欲しがっているようです。

しかし、僕自身はもともと社交的でもなく、積極的に人間関係の輪を拡げたいというよりは、少しずつゆっくり関わっていく方が合っていることもあり、育児を通じての友だちが欲しいと思ったことはありません。

何故かといえば、僕の場合は22歳で結婚し、その後すぐに長男が産まれたということもあり、自分自身が特殊な状況に置かれているということを自覚していたこともあります。

もし、育児を通じての友だちを作るとすれば、年齢はもちろんのこと、今までの経験も全く違う人たちになることが明らかでした。

そして、その当時「イクメン」なんて言葉ものなかったので、「年齢も上で社会経験も豊富な女性たち」と「育児」ということだけで関わろうという気持ちが全く起きなかったのです。

2.子育ての悩みを誰かに相談したい

子育ての悩み、たとえば、「うちの子どもは順調に育っているだろうか」「離乳食はどういう風に作ったらいいのか」など、これらは代表的な悩みですが、些細な悩みであればあるほど育児雑誌にも載っていないし、小児科医に受診するほどでもないし、困ってしまうことがあります。

それらの解決方法として、子育てサークルやNPOなどのイベントに参加して、育児の先輩に聞いてみてすごく助かった、という方もいました。

我が家の場合、子ども達が特に生育上の悩み自体がほぼないほど順調に育ったということもありますが、僕自身がどのように育児に関する情報を手に入れていたかといえば「育児雑誌」です。

育児雑誌は主に「ママ」に向けて書かれているので、それだけで嫌悪する男性たちが結構いるのですが、我が家は、ツレの健康組合から、1年間無料で毎月定期購読でき、それを僕は熟読しました(通算3年=36冊)。

勿論、「ママのお出かけファッション」的なものはあまり真剣に読みませんでしたが(それでもお出かけグッズは参考になりました)、0ヶ月児から1歳6ヶ月児までの子ども達18人が、読者モデルのように毎月同じ子どもの成長を見守る感じで載っていたり、子どもの病気、離乳食、予防接種に関することが別冊になっていたりして、それがすごく参考になりました。

それを熟読することで、子どもの成長は(個人差はあるとはいえ)順調だと思えましたし、病気の時も、まずはその本を読んで該当する病気がないかどうか確認してから、必要であれば小児科に連れて行きました。

例えば、離乳食に関しては、僕もツレもかなり面倒くさがりということや、僕が食にこだわりというか、例えばカップラーメンを食べると気持ちが悪くなるなど、食に気をつけないと体調が悪くなってしまう体質ということもあり、離乳食であれ、子どもに食事をあげるのはゆっくりで良いのではないかと思い、かなり遅く食べさせました。

すると、すぐにミルクと離乳食の他にすりつぶしたバナナ一本食べるような感じになったので、あまり困らなくなりました。

また、離乳食は一時的なことですし、自分たちの時間もないので、レトルトの離乳食で充分だろうということもありました。

次男、長女は先例、経験があったので、見当も付き、生育に関しての悩み自体がさらになくなりました。

3.ママ世界(ママ友)の輪に入りたい

「子育て主夫」をしている人がぶつかる大きな問題がこの「ママ友との関わり」のようです。

子育てをメインにしているのは女性たちであり、育休を取るのも女性が多いので、子どもが小さいほど、周りにいる子育てしている大人は「ママ」になります。

子育てをしながら誰かと関わりたいと思ったとき、そこにいるのは「ママたち」。

子育て広場などで知り合ったママに連絡先を聞いても良いのか、子連れだとしても相手の自宅にお邪魔しても良いのか、その距離感に悩むようです。

さて、僕はというと、1にも書きましたが、そもそも積極的に人間関係の輪を拡げようというタイプではないので、すぐに連絡先を交換したりすることは「子育て」に関わらずありません。

数年来の友だちでもそういえば知らなかったね、的な感じで交換したり、何かの必要に迫られて知らせたり、という感じです。

また、誰かと関わりたい、という欲求自体が少なかったのは、学生をしていたり、フルタイムではなくても働いていたりと、「子育て以外の場(関係)」がある(あった)ということが大きいと思います。

実際に、ツレは初めての育休の際、僕が帰宅するとずーっと寝るまで話続けていたことがあります。それはよく考えたら、僕以外に話せる相手がいなかったからでした。

育休という限られた時間だとしても、人間関係が子ども&パートナーだけになってしまうのは確かに辛いことです。

しかし、僕の場合は、その範囲が狭いとしても、(たとえ子育ての話ができなくても)子育て以外の関わりが常にあるので、特に「子育て」を通しての他の人との関わりを求めなかったのだと思います。

だから、もちろん、ママと子どもを通して話したり関わることはあっても、連絡先を聞いても良いのか、あるいは一緒に遊ぼうと誘って良いのか、自宅に行っても(誘っても)良いのか、悩むこと自体がありませんでした。

ちなみに、最近あったのは、長男の付き添いに行ったツレがあるパパと話していて、僕が「主夫」ということを知ったら、「妻は実家も遠く結婚してからこっちに来て、人間関係が限られているので、是非(僕が)家にも来たり一緒に遊んで欲しい」と言われたことです。

「パパが自分のいない時に自宅に他の男性が来ることを嫌がる」という話は聞きますが、子どもが大きくなっている(小学生)からか、そのパパは気にしていないようでした。

積極的に自分からママ友を作ろうとすると悩んでしまうかも知れませんが、こういう風だと僕も特に変な気を使わなくて良いし、悩むこともないし、楽だなと思いました。

4.「子育て主夫」の関わりは大切

なんだか、他の「子育て主夫」を批判するように読まれたかも知れませんが(そんな意図は全くありません)、「子育て主夫」というだけでつながっている(具体的にはレノンパパ)人たちとの関わりはとても大切なものです。

それまでの経験や年齢も違いますが、「子育て主夫」という立場は実はすごく多くの共通点があって、あっても月に1回程度ですが、集まって日頃のことを話すだけでなんだか安心します。

このことについては、ちょっと話が変わりますし、ちょくちょく書いてますので、今回は割愛します。