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映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「男性は仕事、女性は家庭」が増えている!?

今日は真面目な(?)話で失礼します。

ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表が京都新聞に載っていた記事を紹介していて、気になったので思ったことを書いてみます。

以下本文――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「男性は仕事、女性は家庭」 両立モデル不在か 県分析

 「男性は仕事、女性は家庭」と考える20代女性が増えている背景や要因を突き詰めようと、滋賀県が調査に乗り出した。このほど若者を対象にしたアンケートを実施、仕事も家庭も両立している手本となる人の有無が影響しているかどうかなど、詳しい分析を進めている。

 県の調査で、「男性は仕事をし、女性は家庭を守る」という考え方に肯定的な20代女性は2005年に23・1%、06年は29・8%、09年は38・2%と増加傾向にある。国の調査でも同様の傾向がみられ、県の男女共同参画審議会で調査を始めた。

 アンケートは昨年10月に実施し、県内20代の男女約560人(女性6割、男性4割)から回答を得て、中間報告をまとめた。

 「男性は仕事、女性は家庭」との考え方に肯定的だった女性は33・1%。理由として、「子どもの成長にとって良い」が29・1%と最も多く、「役割分担した方が効率が良い」「自分の家庭がそうだったから」と続いた。子どもが小さいときは「保育園などに預けず、母親が面倒を見るべき」とした女性は33・9%だった。

 また、「男は仕事、女性は家庭」とした女性のうち、仕事と家庭を両立し、社会で活躍するため手本となる人がいると答えた人は27・7%。いないと答えた人は46・2%で、いる人よりも割合が高かった。県男女共同参画課は「手本となる人の有無などが影響していると見ているが、より詳細に評価、分析を進めたい」としている。今年3月ごろに検討結果案をまとめる。

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元記事はこちら(→京都新聞

あくまでも滋賀県の調査なので、僕が暮らしている東京は事情が違うのかも知れません。

僕が気になった点は3つ。

①「男性は仕事をし、女性は家庭を守る」という考え方に肯定的な20代女性が増加(?)傾向(2011年調査では減少)

②理由として、「子どもの成長にとって良い」が29・1%

③社会で活躍するため手本となる人がいないと答えた人が46・2%

今後の詳細な調査結果を期待したいところですが、①に関しては、景気が関係しているのでは?と僕は思いました。

2005年、2006年、2009年という年を考えると、どんどん、景気が悪くなっていった時期に重なります。

それを感じて、若い世代が「永久就職」ということで専業主婦志向が増加したような気がします。

2011年で減ったのは、あまりにも景気が悪くなったから。

「専業主婦」で家庭を守っていけるほど稼げる人は今の世の中、かなり少ないので。

しかも、景気が悪くなると、特に家庭とか家族とかのことは保守的になるので、その一つの表れかも知れません。

次に②に「子どもの成長にとって良い」という考え方。

①と違って②は全く違う問題を浮き彫りにしているように思います。

それは、記事本文にもあるように「子どもが小さいときは『保育園などに預けず、母親が面倒を見るべき』」というもの。

確かに、母親が胎内で育て、出産し、授乳します。

でも、実際、生きている期間とはいわずとも、親を必要とする期間だけを考えても、胎内で育て、出産し、授乳する期間より、それ以降の期間の方が長いのです。

その期間は、もはや「胎内で育てたから」とか、「出産したから」とか、「授乳したから」とかいうことで育てられるものではないように思います。

そして③。

これは、本当に悲しいことです。

同性のロールモデルが身近にいるというのは本当に貴重なんだな、と思わされます。

そして、それとともに、「性別とかはもはや関係ない」という人さえ周囲にいなかったのだな、と思わされます。

ツレが大学院の恩師(団塊世代、男性)に「夫が主夫してます」と年賀状に書いたら、その恩師が孫の面倒をよく見ているとのことで「娘の夫は忙しすぎる。主夫いいなぁ。」と書いていました。

こういう「性別とかはもはや関係ない」という人が周囲にいるかどうかで、かなり変わってくるかと思います。

是非、この調査結果を期待したいことと、定期的に継続して調査(欲を言えば、同じ人物にも定期調査をして、答えが変わっていくかどうかも)をしていって欲しいな、と思います。