映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』

最近読んで面白い(という表現をして良いのか分からないのですが)と思った漫画があります。

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

なんだか観たことがある画だなぁ、と思ったら、以前読んで面白かったこの本の作者でした↓

さよならタマちゃん (イブニングコミックス)

さよならタマちゃん』についても書いた事があったと思ったのですが、探しても出てこなかったので、少し紹介すると、精巣に病気が見つかり、手術をする話です。

体験、とくに闘病記は色んな作品がありますが、どれも惹きつけられるのですが、ほんわかした画で体験が中和されつつも、壮絶な出来事だったことを感じさせ、そのバランスがとても良く出来ている作品でした。

そんな著者の今連載中の作品は、一昨年、天皇皇后両陛下が訪問したパラオ、ペリリューでの戦闘を描いた作品です。

僕個人としては南国の戦闘に関してはまず第一に沖縄戦、そして少しだけフィリピンでの戦闘のことを知っていましたが、ペリリューでのことは全く知りませんでした。

歴史を知る、ということ自体ですごく貴重だと思わされるとともに、救いようのない戦争がここでも描かれています。

たとえばこのシーンとか↓

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こういうシーンをさらっと読ませるのは、この絵柄があってこそだと思います。

はだしのゲン』なども名作ですが、どうしても迫ってくるものがありすぎて避けてしまったりする人がかなりいますが、この絵柄だと描かれている内容はすごいのですが、そこに描かれているものを受け止めることが出来ます。

まだ連載中の作品なので、この後どのような展開(といっても過去の出来事なのである程度の展開は予想できますが)があるのか分かりませんが、歴史を学ぶ上でも今後が楽しみな作品です。