「ある子供」
1週間前くらいに書いた「ロゼッタ」に続きダルデンヌ兄弟が監督している作品を観ました。
「ロゼッタ」が1999年、この「ある子供」は2005年公開された作品です。
今回もTSUTAYAディスカスで50円(税&送料別)で借りました。
作品データ(映画.comより)
原題 L' Enfant
製作年 2005年
製作国 ベルギー・フランス合作
上映時間 95分
映倫区分 PG12
ストーリー(映画.comより)
20歳の青年ブリュノ(ジェレミー・レニエ)と18歳の恋人ソニア(デボラ・フランソワ)の間に子供が産まれる。ブリュノは手下のように使っている少年スティーヴ(ジェレミー・スガール)たちと共に盗みを働き、盗品を売った金でその日暮らしをしている身だ。真面目に働いて欲しいと彼にソニアは頼むが、ブリュノにその気はなく、職業斡旋所に並ぶ列から離れ、なんと子供を金で売ってしまう。それを知って卒倒したソニアは病院に。足がつくのを恐れた買い手のおかげでなんとか子供は取り戻せたものの、意識を戻したソニアは警察にことの次第を話していた。ソニアは相変わらず軽い態度のブリュノに怒りを燃やし、彼を自分の家から追い出す。金に困ったブリュノは、スティーヴと共に盗みを働くが、執拗に警察に追い掛けられ、スティーヴが補導されてしまう。まもなくブリュノは自首。やがて服役中のブリュノのもとに、ソニアが訪ねてきて、ブリュノは思わず嗚咽をあげるのだった。
感想
内容は最初から最後まで上に書いた映画.comに載っていました。
「ロゼッタ」もそうでしたが、いわゆる「社会の底辺」で生きる人たちに焦点を当てています。
「ある子供」というのが、生まれたばかりのブリュノとソニアの子どもであるジミーのことかな、と思ってました。
でも、観ているうちにこの「ある子供」は実は、(見た目では「子供」とは言えなさそうでしたが、アジアンとは外見年齢は違うので判断が難しい)ブリュノのことなのではないか、または、ブリュノが従えているような存在のスティーヴのことなのではないか、と思うようになりました。
スティーヴはそこまで中心的な存在ではないので、やっぱりブリュノのことなのかな、とか、そもそもいろんな「子供」と取れるようにしているのかな、とも思います。
なぜブリュノが「子供」だと思ったのかというと、子どもであるジミーを産んだソニアは少しずつでもまともな生活にしていこうとするものの、その変化がブリュノには訪れず、ソニアに促されても結局その日暮らしで、目の前のお金に飛びつく始末だからです。
子どもを売る、ということ自体、自分が親であることの自覚がなく、愛着もないことから目の前の金に飛びついた結果であり、それをソニアが自分の予想外の反応を示したことで取り戻すことにしますが、結局「違約金」といって逆にお金を取られる身になってしまいます。
そもそもアンダーグラウンドの世界でお金を稼ぐこと自体がかなりリスクのある行為ですが、それにしても目の前のことしか見えておらず、その点が「子供」だな、と。
短絡的な行動が「子供」だな、とは思うものの、それでも困難な情況にいる人が選べる選択肢というものがそもそも少なく、破滅的な選択をしてしまうことも多々あり、その点は「ロゼッタ」と同じだと感じました。
それでもまだ「ロゼッタ」よりも救いを感じられたのは自首して服役しているブリュノのもとにソニアが面会に来ること。
いくら子ども(ジミー)の父親だとしても、信頼も関係性も完全に断ち切っても良いような状態でも、ソニアがブリュノを見捨てなかったのは、少し希望的過ぎるような気もしますが、救いを感じられるものでした。
勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆
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