映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『北欧女子オーサのニッポン再発見ローカル旅』

以前紹介したことのあるオーサ・イェークストロムさんが、「旅」をテーマにしたコミックエッセイを出していたので読んでみました。

北欧女子オーサのニッポン再発見ローカル旅 Kindle版

オーサさんが書いた『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』シリーズが好きで、旅に関するものは何となく惹かれて読んでしまいます。

行ったことのないところが紹介されていると「行ってみたいなぁ」と思い、行ったことのある場所だと「そうそう」と思ったり、「ここ行ってなかった。また行きたいなぁ」と思ったり。

コミックエッセイになっているので、まだまだ自分の知らない日本の色んな場所を知ることで、新しい発見や旅の意欲が高まるかな、と期待していました。

でも、なんだか今回はそういう気持ちになれませんでした。

レビューの評価も複数のサイトを見ても高いですし、多くの人は高評価なようですが、僕には別に悪くはないけれど、「ここに行ってみたい!」という気持ちになるものはありませんでした。

僕自身の心身の調子が悪かったのかな、とも思うのですが、行きたいなぁ、と思うことがなかったのは、一番大きな理由は「旅」を伝える上で「コミック」だと「文字」よりも情報量が少ないからかな、と。

コミックという画になっていると、視覚的に分かりやすいものの、それがどんなところなのか、そこで食べたものがどんなものなのか、画では分かるものの、味などは伝わってきません。

でも、文字で書いてあると、(テレビでもそうですが)味やにおいなども文字で伝えようとすることがため、逆にそれがどんなものなのか伝わってくるのです。

さらに、文字での情報が伝わってこなくても逆に、読み手が「想像」することが出来ます。

想像することで、「それがどんなものなのか、実際に観てみたい」とか「実際に食べてみたい」という気持ちがわいてきます。

そういう気持ちが「コミック」という画だと逆にならないのかなぁ、と。

この本の内容のいくつかは、朝日新聞の土曜別刷版に載っていたものなのですが、その土曜別刷版のオーサさんの連載を毎回必ず読むほどでは実はありませんでした。

コミックエッセイはとても面白く読んだのに、なんでこの連載はそこまで読む気になれないんだろう、と思っていましたが、この本を読んでやっと少し理由が分かったような気がします。