映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

男性の育休取得への疑問

書き始めたら、いろいろと考えてしまって、書きたいことが多くなってしまったので、同じテーマで3連続投稿になります。

今回は番外編です。

実は、昨日までこんなことを書いておきながらも、ファザーリング・ジャパンの会員なんかになっていると、やはり育休への疑問や批判はかなり書きにくいものです。

男性の育休取得者は多いですし、具体的に所属する組織や政府や自治体で男性が育休を取得しやすいように参画し尽力している方多いですし。

男性育休に関して、僕が感じている一番の疑問というか批判の原点は何かというと、現状としてはやはり

・男性で育休を取得出来る人は、かなりの条件が整っている。

というものになります。

その条件とは、例えば、以下のようなものになります。

・正規(常用)雇用者である

・所属組織や周囲の理解がある

・法を遵守することの出来る労働環境が整っている

・経済的余裕がある

大企業なのかどうか、というものさしではなく、少なくともこれらの条件を満たしていなければ男性では育休を取得出来ません。

そもそも男性でも非正規雇用者が20%を占める現在、非正規雇用の人々にはそもそも「育休」なんてものは存在しません(男女合わせると1/3が非正規雇用者です)。

「育休」を取りたかったのに、実際に取れたか取れなかったかということも大事ですが、そもそも「育休」が取れる環境、状況にあったか、ということが今の日本では問われているのです。

政府は今後、男性の育休取得者を13%にまで押し上げたいそうですが、正規雇用者の割合が減ってくれば育休取得者の人数は変わらなくても、当然、育休取得者の割合は上がるでしょう(今回発表された調査も「常用雇用者」が対象です)。

男性で育休を取得する、取得した、という人やそれを語る人の中に、この現在の日本での労働、雇用の状況を理解している人が少ないのは、すごく残念なことだと感じています。

常用労働者4人以下という職場はそもそも調査対象に入っていませんし、そういう職場では、1人に対する業務上の役割が大きいので、「育休」なんてことは、あり得ないでしょう。