映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「沈黙 ―サイレンス―」

珍しく、僕が観たいな、と思った映画と、ツレが観たいな、と思った映画が一致し、TSUTAYAディスカスで送られてきました。

 

沈黙 -サイレンス-(字幕版)

 

映画『沈黙‐サイレンス‐』公式サイト

 

ストーリー(公式サイトより)

17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教 (信仰を捨てる事)したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは 日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。

 

日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。そして次々と犠牲になる人々―

 

守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは―

 

作品データ映画.comより)

原題 Silence

製作年 2016年

製作国 アメリ

配給 KADOKAWA

上映時間 162分

映倫区分 PG12

 

感想

学校の課題図書によくなっているので、読んだ事がある人もかなりいるかと思いますが、原作は遠藤周作の小説です。

 

沈黙(新潮文庫) Kindle版

 

僕が初めて読んだのは多分中学生だったか高校生の時で、すごい衝撃を受けたのを今でも覚えています。

僕が衝撃を受けたのは、逆さづりにされたフェレイラの頭に血が上らないようにと耳の後ろにあけられた傷から血がポタポタと落ちるシーンと、独房に入れられたロドリゴが「いびきをかいている!」と怒るシーン。

人はこんなにも残酷なことが出来るのか、ということとともに、目の前で起きていないとその残酷な出来事も全く伝わらない、ということ。

 

特に「いびき」の場面はものすごい衝撃を受けました。

 

さて、映画ですが、最後にこの小説を読んでから10年以上経っているので既に細部は忘れているのですが、小説があまりにも衝撃的だったからか、映像化するとこんなものになってしまうのか、と落胆してしまいました。

僕が小説で衝撃を受けた2つのシーンはもちろんのこと、ロドリゴと一緒に日本へやって来たガルペが死んでしまうシーンも、「えっ?」と思っている内にいつの間にか死んでしまっていて、どれもすごくあっけなく感じました。

 

小説で伝わってきた緊迫感とか、「長い間苦しませつつ殺す」というものが「苦しいんだろうけれどあっけなく死ぬ」というものに変わっている気がしました。

 

思い入れがある分だけあっけなく感じたのかも知れませんし、もし、原作を読んでいない人たちはもっと楽しめるのかも知れません。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2017年に観た映画ランキング

 

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11 「帰ってきたヒトラー」 / 12 「SING/シング」(日本語吹替版) / 13 「君が生きた証」 / 14 「フェリシーと魔法のトウシューズ」 / 15 「ある戦争」 / 16 「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」 / 17 「ワイルド・スピード MEGA MAX」 / 18 「ナイトクローラー」 / 19 「奇跡の教室」 / 20 「幕が上がる」

 

21 「ベティ・ブルー」 / 22 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 23 「神様の思し召し」 / 24 「her/世界でひとつの彼女」 / 25 「マグノリア」 / 26 「カフェ・ソサエティ」 / 27 「オケ老人!」 / 28 「モアナと伝説の海」 / 29 「プリズナーズ」 / 30 「if i stay」

 

31 「ハドソン川の奇跡」 / 32 「ニュースの真相」 / 33 「ラ・ラ・ランド」 / 34 「しあわせのかおり」 / 35 「REDリターンズ」 / 36 「 愛しき人生のつくりかた」 / 37 「ディーパンの闘い」 / 38 「チャッピー CHAPPIE」 / 39 「ロルナの祈り」 / 40 「プリデスティネーション」

 

41 「セトウツミ」 / 42 「永い言い訳」 / 43 「追憶の森」 / 44 「花様年華」 / 45 「EDEN/エデン」 / 46 「世界一キライなあなたに」 / 47 「17歳」 / 48 「ある子供」 / 49 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 50 「後妻業の女」

 

51 「Mommy マミー」 / 52 「ロゼッタ」 / 53 「ニュースの真相」 / 54 「ビューティフル」 / 55 「沈黙 ―サイレンス―」 / 56 「あと1センチの恋」 / 57 「海難1890」 / 58 「ホテルコパン」 / 59 「聖の青春」 / 60 「ロング・トレイル!」

 

61 「私たちのハァハァ」 / 62 「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 / 63 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」 / 64 「百瀬、こっちを向いて。」 / 65 「白い帽子の女」 / 66 「ワールド・ウォーZ」 / 67 「惑星のかけら」 / 68 「麦子さんと」 / 69 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 70 「捨てがたき人々」

 

71 「カケラ」 / 72 「スプリング・ブレイカーズ」 / 73 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」