映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

松方コレクション展

 かなり久しぶり(と言っても去年、家を追い出されるまで使っていただけですが)に山手線に乗ったら、駅のホームから松方コレクション展のポスターが貼ってあり、クリムト展が良かったこともあり、行ってみることにしました。
 (ちなみに、前売り券を買えるギリギリのチャンスだったことも大きいです。)

松方コレクション展|開催中の展覧会|国立西洋美術館

 
 クリムト展は15時頃に行ったこともあり、入場まで数十分待ったので、今回は開館時間の9時半に合わせて行きました。
 開門前に到着したので入場待ちの列がありましたが、並ぶのが面倒なので、近くのベンチで入場時間まで待ち、開門後に入場しました。

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 僕は西洋美術にはとんと疎くて、非常勤講師時代にキリスト教を教えていた関係もあって学ぶようになりましたが、それまでは授業では学んだことはあれ、キリスト教美術以前に美術には興味さえ持っていませんでした。
 なので、松方コレクション展と言われても「松方って誰?」という無知さだったのですが、行ってみて良かったです。
 松方コレクションの松方という人が誰でどういう人なのかはもちろんのこと、その松方幸次郎がいなければ、そもそも国立西洋美術館が作られることもなかったということも知ることが出来て良かったです。

 今回のコレクション展の目玉は、3年前にフランスで発見されたモネの作品と、その作品の修復イメージの展示でした。

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 他にも、以前から何回も国立西洋美術館には来ていたのに、前庭にロダンの彫刻が沢山ある理由も所以も知らずにいたのですが、松方幸次郎が命じて鋳造したことなどが分かって、ようやく国立西洋美術館がなぜ作られたのか、何故前庭にロダンの作品があるのか、モネの『睡蓮』などの作品が所蔵されているのかなどが分かって興味深かったです。

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 でも、気になるのは、映像や展示で何回も「時代に翻弄され~」ということが書かれていたことです。
 時代に翻弄されたということは確かにその通りだと思うのですが、それ以前に作者本人から直接購入したのなら分かるのですが、他の人が所蔵していた作品を売り買いすることは「投資」でしかなく、また、日本に返還されることがなく、オルセー美術館所蔵になっているゴッホの『寝室』などは、美術品は誰のものか、誰の利益になるものか、ということを考えさせるものであるにも関わらず、そのことには殆ど触れられていなかったのが残念でした。