映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」

 Amazonプライムで観た作品です。
 今回見た作品をリメイクした「ドラゴン・タトゥーの女」は観たことがあったのですが、元々のスウェーデン版は観たことがありませんでした。
 ちなみに、映画自体も、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説を元にしています。
(『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版)』 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』)
 


ミレニアム ドラゴンタトゥーの女(字幕版)

 
作品データ映画.comより)
監督 ニールス・アルゼン・オプレブ
原題 Män som hatar kvinnor
製作年 2009年
製作国 スウェーデン
配給 ギャガ
上映時間 153分
映倫区分 R15+

あらすじシネマトゥデイより)
ジャーナリストのミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)は、ある大物実業家の違法行為を暴露し、名誉棄損で有罪になる。そんな彼に目をつけた大企業の前会長が、40年前に失踪(しっそう)した自分の血縁にあたる少女についての調査を彼に依頼する。ミカエルは天才ハッカーでもある調査員リスベット(ノオミ・ラパス)と協力して、未解決事件の真相に迫る。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 「ドラゴン・タトゥーの女」もとても良かったのですが、こちらのオリジナル版もとても良かったです。
 内容は変わらず、40年前に失踪した少女の調査を依頼された主人公ミカエルの元にハッカーで調査員のリスベットが協力し、真相を明らかにしていく、というものです。

 「ドラゴン・タトゥーの女」でも描かれていた、リスベットの後見人になる弁護士の性暴力とそれへの復讐シーンは目を背けたくなるような場面ではあると同時に目が離せない場面になっています。
 リスベットになぜ後見人が必要なのか、ということも物語の展開と共に徐々に示されていき、最終的には、そのきっかけとなり、関係を絶っていた母親との再会も描かれています。

 このオリジナル版の方が、時間が長いからか、母親との関係だけでなく、ミカエルとの交流も丁寧に描かれているように感じました。
 「ドラゴン・タトゥーの女」では、ミカエルが主人公で、リスベットは助演という感じでしたが、この作品では、二人ともにそれぞれ焦点が当たっていて、だからこそ、二人の関係が少しずつ近づき、セックスするシーンもミカエルにとっては唐突ではあるものの、リスベットがそうしたくなる気持ちも分かるような感じがしました。

 物語の展開の主軸は、少しずつ明らかになっていく、40年前の失踪の真相ですが、これはリズムもよく、2時間半という長さですが、飽きることがなく、物語にぐいぐいと引き込まていきました。
 現代だかこそ明らかに出来ることと40年前の情況をうまく絡ませていて、この展開の良さは原作によるものなのかなと思います。