映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「モザイク」

 ここ数年、有名な映画監督が、ネット配信の方が資金力もあって軸足を移している人もいるということは知っていましたが、先日、新聞でスティーブン・ソダーバーグ監督について触れている記事を読みました。
 映画をネット配信でということではなく、ネットと連携させつつ、作品を作っていくという新しい試みについて触れられていたのですが、Amazonで観られると書いてあったので、観てみることにしました。

 

(ネットdeシネマ)ソダーバーグ監督、情熱の行方 映画大好き!:朝日新聞デジタル



 
モザイク(字幕版)

 

モザイク~誰がオリヴィア・レイクを殺したか公式サイト | 映画・海外ドラマのスターチャンネル[BS10]

作品データ
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
原題 Mosaic
公開年 2018年
製作国 アメリ
放送局 HBO
上映時間 各50分 全6話

ストーリー(公式サイトより)
雪景色の美しいユタ州サミット。広大な敷地の邸宅を所有する絵本作家オリヴィア・レイクは、子供向けのワークショップ《モザイク》プロジェクトを進めていた。だが、ニューイヤーズイブの夜、大量の血痕を残してオリヴィアは失踪する。彼女の財産を狙い近づいていた詐欺師エリックが逮捕されるが、疑念を抱いたエリックの妹ペトラが、事件の再調査に乗り出す。オリヴィアに雇われていたジョエル、地元警察の刑事ネイトらの協力で、ペトラは真相に近づいてゆくのだが…。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 スティーブン・ソダーバーグ監督の作品は結構好きで、特に映画を沢山観るようになった、自分が高校生から大学生の21世紀になる前後に観ていました。
 「エリン・ブロコビッチ(2000年)、「トラフィック」(2000年)、「オーシャンズ11」(2001年)、「ソラリス」(2002年)、「オーシャンズ12」(2004年)、「オーシャンズ13」(2007年)、「チェ 28歳の革命 」(2008年)、「チェ 39歳 別れの手紙」(2008年)など。

 最近の作品はあまり熱心に観ていたとは言えないものの、劇中のリズム感とかは強烈に印象に残っていて、そんなソダーバーグ監督が作ったドラマで、しかも、アプリと連動させて展開される作品とはどういうものなのだろうか、という興味が沸いて観てみました。
 ドラマにしては短く、1話約50分で全6話になっています。
 このドラマにしては短い点が、僕にとって最後まで見続けるにはとても良かったです。

 実際にドラマが放映されている時に、自分もアプリを入れて、物語が連動していく様子が分かるのならば、また違った見方が出来るのかも知れませんが、既に作品として出来上がっているものを観た感想としては、そこまで面白いものではありませんでした。

 広大な敷地を持っているオリヴィアは誰にもその土地を譲ろうとはしない。
 なので、どうにかしてその土地を手に入れようとする人たちが彼女の周りには集まって来ていて、そんな中の一人と恋をし、結婚をする。
 最初は、雇い主の指示でオリヴィアに近づいたエリックは、詐欺師としてではなく、本当にオリヴィアを愛するようになり、結婚を決めると、彼女に本当のことを打ち明ける。

 が、打ち明けた直後にオリヴィアは誰かに殺されたのか、行方不明に。
 エリックが逮捕され、司法取引により、懲役し数年経ち、オリヴィアの遺体が発見される。
 事件当初からエリックの犯行と確信を持てなかった刑事と、エリックの妹が改めて事件について調べていくと、それぞれ、「真犯人」を見いだす、というものです。

 刑事が見出した「真犯人」と、エリックの妹ペトラが見出した「真犯人」が違うままラストを迎えることや、エリックが最後まで殺害を認めなかったにも関わらず殺人の罪で懲役に服することになることは、恐怖やスリルを感じるものの、「真犯人」の目新しさというか、推理し真相を解明するという展開の良さはあまり感じられませんでした。

 それによりも、愛し合っていると思っている妻が不倫していることにも気付かずに、そして、その自分に献身的に尽くしているように装う妻の様子が、自分にとっては一番恐ろしさを感じる場面でした。
 割としょっちゅう不倫だとか浮気の場面を観るような気がするのですが、気のせいなのか、それとも現実世界でもそんなによくあることなのでしょうか。