映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「カメラを止めるな!」

夏休みということで帰省した友人を含め、高校からの友人3人で飲みに行きました。
集合場所が新宿ということで、せっかく都心に行くのならと、TOHOシネマズの鑑賞ポイントが貯まっていたので、それを使って、前から観たいと思っていた「カメラを止めるな!」を観に行きました。
(TOHOシネマズでは6回観に行くと、1回無料で観られます)

観に行ったのは、TOHOシネマズ日本橋です。
夏休み期間中、そして、最初2館での上映だったのが人気が広まって、TOHOシネマズのような大手映画館で観られるようになって間もない時期だったこともあるのか、満席でした。

 

youtu.be

 

映画『カメラを止めるな!』公式サイト


作品データ映画.comより)
監督 上田慎一郎
製作年 2017年
製作国 日本
配給 アスミック・エース、ENBUゼミナール
日本初公開 2017年11月4日
上映時間 96分
映倫区分 G

ストーリー(公式サイトより)
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる!​大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
”37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
新聞での書評((評・映画)「カメラを止めるな!」 観客の「なぜ」、鮮やかに解決:朝日新聞デジタル)を最初見たときはそこまで興味が沸かなかったのですが、普段聞いているラジオ番組でこの映画を観た人たちが絶賛していました。

町山智浩 『カメラを止めるな!』を語る
宇多丸、『カメラを止めるな!』を語る!【映画評書き起こし2018.7.6放送】
【音声配信】「カメラを止めるな!」「未来のミライ」「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」荻上チキが最近見た映画▼2018年8月10日(金)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

また、監督自らも番組に出演しているのを聞いて、これは観に行かなくては、という気持ちを新たにしていました。

話題沸騰の映画「カメラを止めるな!」上田監督が多大な影響を受けたのは宇多丸ラジオだった

監督本人を含め、紹介する人たちがことごとく内容について「ネタバレになるから」と口を閉ざしながらも、どうしてもこの映画は紹介しなくては!という意気込みが伝わってきたのも、すごく特徴的なことだったと思います。

僕自身は映画を観るときは、ストーリーなどについて調べることもなく、書評で興味を持ったり、誰かのレビューを観て興味を持ち、実際に観てみる、というパターンなので、内容について事前に詳しく分からなくても観たいという気持ちには全く影響がありませんでした。

この作品、いろんな人が言及していることなのですが、「伏線の回収が見事」でした。
最初の30数分は、ワンカットで撮影されているので、そこで何が起きているのかを見事に観客に記憶させつつ、後半で前半の伏線が次々に回収されていきました。

ワンカットのシーンは、ゾンビ作品で、僕はゾンビとかホラー映画は苦手というか、自分から積極的に観ようとは思わないのですが、そんなゾンビ作品でありながら、後半の伏線回収では、泣くほど笑わせられました。
観客の多くもどっと笑い声が出ていましたし、隣に座った中年男性も結構大きな声で笑っていて、久しぶりに泣くほど笑いました。

この作品の中でシンボリックな言葉だと思ったのは、作中で数回登場する「作品より番組」というもの。
泣くほど笑わせてくれる映画であるという楽しませてくれる作品ではあるのですが、それだけでなく、「作品より番組」ということで、監督など制作者が作りたいと思っていた作品から次々に改変されていくという、映画などの映像製作現場への風刺にもなっているのかな、と思いました。

この映画、今年観た中では一番良かった作品になりました。