映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「助けて」と言ったことありますか?

いわゆる育児本ではないのですが、育児をする上でとても大切なことが書いてあると思ったので、書いてみたいと思います。

 

「助けて」と言える国へ

 

NHKの番組「プロフェッショナル」から知られるようになり、一躍時の人になった、牧師で困窮者支援をしている奥田知志さんと番組ではメインパーソナリティだった脳科学者の茂木健一郎さんとの対談を中心にした本です。

 

僕が読んだのは、困窮者特に、ホームレス支援をしている奥田さんを以前から知っていて、番組を通して知り合い、その後に何度も活動を共にしている茂木さんとの対談に惹かれて手に取りました。

 

読んでいて困窮者支援のことが書かれていたこと、特に311以降のホームレスだけではない困窮者支援について書かれていたことはもちろんのこと、奥田さんは牧師であり、茂木さんも(やはりというべきか)科学者として宗教への見識もあるのでキリスト教の話が随所に出て来たのはとても面白く感じました。

 

ここまでは、育児、子育てとは特にリンクすることはないのですが、対談後に載っている奥田さんの文章に自身のお子さんが「いじめ」から不登校になったときのことが書かれていました。

 

ここの部分だけでも直接読んでもらいたいので、詳しく書くことはしませんが、その経験を通しての奥田さんの大きな気づき、反省は

 

自分が『助けて』と言わないのに、子どもに『助けて』というようにと言っていた

 

というようなことでした。

 

自分自身が「助けて」と言わないのに、「苦しんでいるなら『助けて』と言ってね」と言っても、相手は「助けて」とは言わないだろう、ということです。

 

僕は自分の経験からも学校に行かなくても構わないと思っているので、子どもたちには「行きたくなかったら行かなくても良いよ」とは言っているものの、自分が苦しい時に「苦しいから助けて」とは言えていないように思います。

 

「助けて」と言ったら、多くの人は多くの場合、助けてくれる。

 

そのことを経験としても、心の底からの信頼としても、分かってもらえるように、まずは自分から「助けて」と言えるようにならないと、と思ったのでした。