映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ノア 約束の舟」

今年に入ってからも映画は相変わらず観ているので(実際の所は急かされて観ました)、書いてみたいと思います。

本当は、新年早々観たのは、子どもたち用のトッキュウジャーの映画DVD(「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」)なのですが、僕のリクエストで観たわけではないのでやめておきます。

(出演者にまいんちゃんがいたので、ちょっと「おー」と思ったのが感想のすべてです。)

 

さて、新年初、まともに観た映画はこれです↓

 

ノア 約束の舟

 

何故この映画を観たのか、と言えば、僕がクリスチャンだから、ということもあるのですが、同僚(クリスチャン)が「結構面白かったですよ」と言っていたからです。

(今思い出すとそれまで映画の話なんてしたことなかったのに)「この人がそう言っているなら面白いのかな」と思ったのです。

ということで、普段キリスト教関係の映画は「どうせあんまり面白くないでしょ」ということで敬遠しているにも関わらず観てみました。

 

その結果、うーん、僕が読んだことのある聖書は違う聖書だったのだろうか?という疑問がふつふつと沸いてきたので、聖書を引っ張り出して熟読しちゃいました…。

ここまで読んでもらえれば、これ以降どういうことを書くのか予想がつくかと思いますので、あまりネガティブな評価を読みたくないという人はスルーしてもらえればと思います。

 

最初から、服装が気になったのですが(何で初期の人間が現代人のような洋服を着てるのだろうか。。。)、聖書に書かれていることと比べて気になったことだけを挙げてみます。

・ノアが若い(ノアまでは長寿だったので、500歳で子どもが生まれ、600歳の時に洪水に遭います。)

・ノアの子どもたちも異常に若い。

子どもたちに配偶者がいない。

トランスフォーマーみたいな堕天使が出てくる。

・カインの子孫という王が出てくる。

 

厳密に照らし合わせなくても、軽く考えるだけでこんな感じで出て来ます。

「堕天使」とかいう溶岩で出来たトランスフォーマーが暴れまくって人間を殺しまくるのには開いた口がふさがりませんでしたが、まぁ、もうそこは「聖書に書いてない行間を想像豊かに膨らませてみた」ということで良いかなと思います。

実際、ノアに関する記述は5章に満たない訳なので。

 

でも、一番気になったのが、上で下線を引いた「子どもたちに配偶者がいない。」というところです。

次の「子どもたちが異常に若い」ということとも関連しますが、聖書の記述だと、洪水が起きたとき、ノアの子ども(セム、ハム、ヤフェト)にはそれぞれ「嫁」(原文ママ)がいて、一緒に舟に乗ったと書いてあります。

 

なのに、この映画では、次男のハムは「なんで僕には女(原文ママ)がいないんだ!」とか言って発狂してるし、そのことが後半のストーリーの軸になっています。

聖書に書いてあるのを無視した(変えた)設定のところを軸にしちゃダメでしょうに。

だって、聖書では「嫁」(原文ママ)と乗舟したって書いてあるんだし。

映画の最後でハムは、「新しい世界になったんだし、僕は行くわ」って言って1人で(たぶん配偶者を探しに)旅立っちゃうし。

僕はノアの最後が結構好きなんですけれど。

地上に降り立ったノアがしたのがぶどうの農夫で、酔っ払って素っ裸になってしまったという。

もちろん、この「素っ裸になってしまった」ということには意味があって。

でも、まぁ、この部分を入れるかどうかは「好み」の話かもしれないので良いのですが、やっぱりさすがに聖書に書いてあるのを勝手に変えるのはどうかな、と。

何これ?聖書の話じゃなかったのか…。というラストでした。

 

まぁ、もちろんノアの話を「侮辱」したのでも「風刺」したのでもないのですが、正直これは「ないわー」という感じでした。

ノアが作った箱舟がちゃんと神が命じたであろう構造っぽくなっていたのと、材料も聖書にあるようにアスファルトを使っていて、妙に忠実なところもあったので、逆にものすごく想像に任せて話を膨らませたところ(と聖書に書いてあるのを無視したところ)との差が際立っていました。

 

最後にちょっと気になったのは、原作に対しての感想ではなく、日本語字幕に関してですが、劇中神(と言うのが憚れるからか)のことを「Creator」と言っていました。

それが日本語字幕では「神」ってなっていました。

わざわざ劇中で「God」って言うことに配慮して、Creatorと言っているのだろうし、「神」って訳すのではなく「創造主」にしてほしかったな、と思います。

 

まぁ、原作はもちろん、日本語訳も「たぶん訳した人はクリスチャンでもなければ、ユダヤ教キリスト教イスラームのどれも基本的なことさえ学んでないんだろうな」ということが透けてしまったので、評価が一番低いものになりました。

最低ランクの映画から初めて、今年は登っていけるように、良い作品に出会いたいな、と思います。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★☆☆☆☆

 

2015年に観た映画ランキング

1 「ノア 約束の舟」