映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「花様年華」

今年の子どもたちの冬休みは長く、9日まであったので、日中子どもたちにテレビを独占される時間が長かったのですが、その合間を縫って映画を観ることが出来ました。

見てみた映画は「花様年華」、ウォン・カーウェイ監督の作品です。

 

花様年華

 

Amazonのプライム・ビデオで見られるようになっていて(プライム会員だと無料で見られる)、ウォン・カーウェイ監督の作品って「マイ・ブルーベリー・ナイツ」しか記憶になかったので見てみました。

 

内容は、隣人になった女性(チャン)と男性(チャウ)との交流です。

舞台は1960年代の香港。

2人とも配偶者がいるものの、チャンのパートナーの男性は海外出張が多くあまり家にいない。

チャウのパートナーの女性は残業続きであまり家にいない。

それぞれのパートナーが実は不倫をしているのではないか、と疑い始め、その相手が実はチャンのパートナーとチャウのパートナーではないか、と2人が気づき、2人も親密になっていく、というもの。

 

でも、親密にはなっていくものの、決定的(という表現が適切かどうか)な線を越えることはありません。

この潔癖さは、1960年代だからなのか、香港だからなのかよく分かりませんが、アメリカ映画では会ったその日にセックスするのが当たり前のように描かれることが多く、僕もそれに汚染されているのか、少しもどかしさを感じました。

 

が、それでも、例え体を触れなくても(実際に手を触れる様なシーンも殆どない)、2人の親密さは十分伝わってきます。

チャンと離れるためパートナーとの関係を清算するためにシンガポール行きを決めるチャウ。

その時にチャンに一緒に来るように誘うけれど、チャンは断ってしまう。

 

それで関係が終わるかというと、2人の間には未だに断ち切れない思いがあり、数年後にそれぞれがそれぞれの消息を探す。

 

最初に感じた体を触れずに感じたもどかしさは、むしろ、体を殆ど触れなかったからこそ、思いを断ち切れなかったような気がしました。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2017年に観た映画ランキング

 

1 「この世界の片隅に」 / 2 「花様年華