映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

1月に読んだ本

2月になったので、先月読んだ本について書いていきます。

ちなみに最近は、Kindleで読める本はKindleで買うことが多くなってきました。

理由としては、①Kindleの方が安い(ことが多い)、②すぐに読み始められるからです。

ということで、Kindle版の方が安い場合は、Kindleで買って読むようになりました。

さて、まず最初はこちら。

九十歳。何がめでたい

佐藤愛子さんの文章自体読んだのは初めてだったのですが、今すごく売れているということで広告をよく目にしていました。

そんな中、Kindle版でかなり安くなっていたので、読んでみました。

元々は女性誌に連載していたエッセイだそうで、生きてきた時代が違うので、物事の捉え方は違うところもあるものの、面白く読めました。

出来事への考え方が違うなとは思うものの、それは決して反発を抱くようなものでもありませんでした。

例えば、自転車が怖い、というような話。

これは、考え方の違いを表すものではありませんが、最近の自転車は音がしないので、すっと後ろから出て来て怖いという指摘。

自動車が静かになってきたことは自覚していましたが、確かに自転車も静かになってきていて、特に音が聞こえづらくなってきている年齢の人たちには、僕も気をつけないといけないな、と思いました。

もし、不満があるとしたら、いわゆる「高齢者」の意見なので、今高齢の人の方が多くなってきていて、その人たちによって割と迷惑している出来事もある、ということ。(集団で歩くときに、周りに歩いている人を気にしないとか。)

そういう点にも自覚的であって欲しいといのは、その世代ではない者の勝手な意見なのでしょうが、高齢ではない人たちに意見を述べるのならば、その人たちからの意見にも少しは耳を傾けて欲しいな、と思ってしまいます。

でも、根本的には、人への優しさがあるように感じました。

倚りかからず (ちくま文庫)

何で紹介されていたのか忘れてしまいましたが、詩集です。

詩集なので、ささっと読めるのですが、やはり一番心に残った作品はタイトルにもなっている「倚りかからず」。

これだけでも、みんなに読んでもらいたいな、と思う作品でした。

他には、その時代を表す作品もあって、今だったら、こんな出来事はネット上で炎上するんだろうな、ということに触れた作品があって、時代の変化というか、なぜこんな出来事に多くの人が集中砲火を浴びせるようになってしまったのだろうか、と物思いに耽ってしまいました。

死にカタログ(だいわ文庫)

新聞書評欄で文庫になった本のところに載っていて、面白そうだったので読んでみました。

著者がデザインやイラストの仕事をしているので、死という概念を視覚的に捉えようとしていてとても面白く読めました。

内容的には、著者が書いているように、エリザベス・キュブラー・ロスの『死ぬ瞬間』に依拠するところが大きいのでしょうが、視覚的に捉えるというのは、今までとは違った角度から死を捉えられるように感じました。

お金の教養 (だいわ文庫)

知人が、「子どもにお金をどう教えるかを考えている中で読んだ本」ということで紹介していたので、読んでみました。

とても分かりやすく、読みやすい(文字数も少ない)のでさくっと読めるようになっています。

お金について考える入門書としてとても良い本だと思います。

今では、中高生向けにお金の授業が取り組まれているところもありますが、僕らはお金について学ぶ機会もなく、親も基本的に「お金のことは子どもが話すことではない」というような姿勢でした。

なので、僕は全くお金について考えたことがなかったといって良い。

収入をどのように扱うか、資産を増やす方法、チェックの方法など、具体的な取り組みが示されるだけでなく、最終的に自分だけでなく、他者の生活の向上にも目を向け、寄付ということについて書かれていることにも好印象でした。

ソープランドでボーイをしていました

Kindleでやたらレビューの評価が高く、200円とかだったので、読んでみました。

著者は、小説にしたかったようですが、実話です。

文章はこなれているとは言えませんが(小説にはしづらい)、読みやすいものでした。

ソープランド」という場が舞台になっていますが、いわゆるエロの話は一切無く、何故ソープランドで働くことになったのか(震災の影響)、働いていたときの仕事内容や人間関係、ソープランドをやめることになった時の出来事などが書かれています。

さくっと読めるので、「知らなかった世界」を知る、という意味では面白かったのですが、話すことが許されていないソープランドで働く女性について殆ど触れられないのは仕方がないにしても、ボーイたちが一緒に寝食を共にしているにも関わらず、どのような過程を得て今この仕事をしているのかよく分からないというのは、事実であっても、物足りなさを感じました。

また、例え高級店(合計8万円以上するそうです)でも、いろんなお客が来るはずで、描かれている人間関係が基本的にボーイたちで、客について書かれていないので、その点も物足りなさを感じました。

すごく礼儀の正しい客もいれば、横柄な態度の客もいるはずで、それらの客についても書いて欲しかったな、と。

客に関しては、いわゆる「障がい者」について触れられていたのですが、風俗店が障がい者の福祉的一面があることが分かるのですが、障がい者だから著者の心に残ったのでしょうが、障がい者ではない他の客についても書いて欲しかった、と思います。