映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ディーパンの闘い」

僕がリクエストしてツタヤディスカスで借りたDVDで観た映画です。

 

ディーパンの闘い(字幕版)

 

いつもこの映画観たいな、と思って1年とかそれ以上経ってから、ようやくレンタルで観ているので届いた時は「何の映画だったっけ?」と思ったのですが、少し調べたら思い出しました。

 

2015年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した、スリランカの内戦から逃れた人々を主人公にした映画です。

スリランカの内戦については、この↓外務省が出している記事を読んでもらいたいと思いますが、僕自身は10年ちょっと前、スマトラ沖地震による津波の被害を受け、そして内戦が続いている中で困難な状況にある子どもたちに関わるため、キリスト教系の団体によってスリランカに行ったことがあります。

 

スリランカ内戦の終結~シンハラ人とタミル人の和解に向けて(外務省:わかる!国際情勢)

 

僕が滞在中にも当時の外務大臣(だったような)が暗殺されるという事件があり、短い滞在だったものの、それ以降も続いていた内戦を度々調べたり、街で見た人々の様子が時々鮮明に思い出されることがありました。

今は、日本から観光ツアーでスリランカに行く人たちも結構いるようで、僕が訪れた時とはなんか隔世の感さえあります。

と、僕個人のスリランカとの関わりからも気になったので観てみた次第です。

 

さて、内容ですが、スリランカの内戦の混乱の中、他人のパスポートを使い、偽装家族になりフランスへ向かった3人が中心です。

主人公は「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE:Liberation Tigers of Tamil Eelam)の元兵士で妻子を失ったディーパン、難民キャンプでスリランカを逃れいとこのいるイギリス行きを夢見ていた偽の妻ヤリニ、ヤリニが難民キャンプで見つけた偽の娘イラヤルの2人を合わせた3人で偽装家族としてフランスへ逃れます。

戦火から逃れ、フランスへ渡ったものの、身分証もなく仕事もなく過ごしますが、ある団地の管理人として仕事を得、生活していくことに。

イラヤルも学校に通えるようになり、ヤリニも知人の紹介で家事手伝いの仕事を得ます。

ディーパンも最初はフランス語が全く分からず、仕事でミスもしてしまいますが、与えられた管理人という仕事を忠実にこなしていきます。

それと同時に、この団地は移民や貧困層が多く暮らす団地のようで、いやゆるごろつきがたむろしています。

団地内で発砲事件が起き、ヤリニたちがおびえていても、ディーパンは深く立ち入ろうとはしていませんでしたが…。

 

後半からの内容は書きませんが、映画サイトのあらすじには、「しかしその矢先、3人は新たな暴力に見舞われてしまう。」と不吉なことが書かれていて、すごくドキドキしながら「何が起きるんだろう?」と思って観ていましたが、僕の予想をはるかに越えたナナメを行く展開がありました。

 

最後の10分くらいを観た僕の率直な感想は

 

「なんだこれ」

 

あまりにも予想していなかった展開だったので、本当にびっくりしました。

スリランカの内戦なんて関係ないじゃん!」とさえ思ってしまいましたが、でもゆっくり考えてみると、内戦をくぐり抜けた元兵士だからこそあんなことが出来たのかも、とも思います。

 

ちなみに、主人公ディーパンを演じたアントニーターサン・ジェスターサンはスリランカの元兵士でフランスへ亡命した作家で、これが初演技とのことでしたが、違和感が全く無い演技でした。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2017年に観た映画ランキング

 

1 「さとにきたらええやん」 / 2 「この世界の片隅に」 / 3 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 4 「帰ってきたヒトラー」 / 5 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 6 「her/世界でひとつの彼女」 / 7 「REDリターンズ」 / 8 「 愛しき人生のつくりかた」 / 9 「ディーパンの闘い」 / 10 「花様年華」

 

11 「EDEN/エデン」 / 12 「17歳」 / 13 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 14 「あと1センチの恋」 / 15 「ロング・トレイル!」 / 16 「惑星のかけら」 / 17 「麦子さんと」 / 18 「カケラ」 / 19 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」