映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『木根さんの1人でキネマ 1』

 以前から気になっていた漫画がKindle版で1巻目が無料だったので読んでみました。
 気になっていた理由は、タイトルにあるように、1人で映画を観ている人が主人公で、それが自分と共通するからです。
 


木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス) Kindle版

 

木根さんの1人でキネマ | マンガPark(マンガパーク)

 

内容白泉社作品紹介ページより)
30ン歳独身OL・木根さんの趣味は1人で映画を観ることと感想ブログ。映画愛がこもりすぎててこじらせちゃってる木根さんの生き様(笑)をみよ!ターミネータースター・ウォーズバッドボーイズ2バッド…、濃いラインナップ揃ってます♪

感想
 1人で映画を観ている30代女性の木根さんが主人公で、性別以外の部分が僕自身と共通しているので興味があったのですが、手に取るのを留まっていたのは、平均的には割と高い評価なのに対して、低い評価が結構ついていたからです。
 また、映画を扱う作品だとしても、どのような作品が出てくるのか、どのように作品が扱われるのか分からなかったのも、ちょっと不安に感じていました。

 無料で読めた1巻目が面白かったら続きも手に取ってみようということで読んでみました。
 読んでみると、確かに、主人公木根さんと僕とは年齢も近いので、小さなとき(小学生くらい)に観て印象に残っている作品などは重なりました。
 また、様々な映画のタイトルが出てきて、その作品名にまつわる話が展開されるのですが、名前が出てくる映画を語るというよりは、映画好きなことに対して木根さんが経験してきた周囲からの扱いや、それによるトラウマがメインでした。

 なので、例えば僕自身があまり好きではない作品を、木根さんが延々とここが良かった!、という点をあげ続けてとしても、楽しめたと思うのですが、映画ばかり観ていることに対しての周囲の態度がメインなので、学生の時にうまく周囲と話がかみ合わなかった経験などがそのときに観ていた映画が触れられつつ物語が進みます。
 映画好きでも、時間があれば映画を観続ける生活をしている人でも周囲の人たちと良好な関係を築いている人はいるので、映画を理由にされると、それはそれで1つのニーズはある物語ではあると思いますが、僕が望んでいた内容ではありませんでした。

 それと、最初こそ「1人でキネマ」というタイトル通り、「1人」なのですが、すぐに同僚・同期の佐藤さんが木根さんの家に居候してくるので、「1人」ではなくなります。
 佐藤さんが加わる展開は、やっぱり映画って誰かと一緒に観たり、感想を共有するのが良いんだよな、ということを実感させてくれたのですが、この漫画のようには1人じゃなくなる展開にはならないので、もっととっつきやすい方法が示されると良かったな、と思いました。