映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『チェルノブイリ・ハート』

一応、このブログでは、原発放射能関連の話題はなるべく避けようと思っているのですが(その分、Twitterでやっています)、ツレから「ブログに書いたら?」と言われたので書いてみます。

何の話かというと、チェルノブイリ原発事故後に周辺地域の子どもたちに現れた健康被害に焦点を当てた『チェルノブイリ・ハート』という映画です。

 

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映画ですが、「チェルノブイリ・ハート」自体は40分ほどで、もう一つのチェルノブイリ周辺に当時住んでいて強制退去させられた青年が事故後20年経って自宅に帰った時の様子を撮った25分ほどのものが収められています。

時間の短さ、また、実際に放射能汚染によって、どのような健康被害が(特に子どもたちに)現れるかを知る、とても良い映画だと思います(個人的にはもう少し解説があった方が、正しい情報が伝わるとは思いますが)。

 

観ていない人に、どのように伝えれば良いのかが分かりませんが、とても衝撃的な映像でした。

今まで、チェルノブイリ原発事故後に、「小児甲状腺がん」とかは知っていましたが、現実はそれどころではないことが分かります。

少し冷静に考えれば当たり前の事ですが、「遺伝子が傷つくとはこういうことか」というのを、(原発事故後に生まれて来た)幼い子どもたちの実情を突きつけられました。

心臓に穴が空いている子(俗に言う「チェルノブイリ・ハート」)、甲状腺がんの子、「知的しょうがい」の子、水頭症の子、頭蓋骨に脳が収まらずに飛び出ている子、4歳なのに4ヶ月のような体格の子、腎臓が肥大化している子、手足が腐りかけている子…。

 

映画の中に出てくる現地の医者も決して「放射能が原因だ!」とは言いません。

言うのは「チェルノブイリ原発事故以降、増加した」ということ、「要因のひとつ」であろうということです。

 

僕は今まで、自分の子どもたちの健康にどう原発事故の影響が出てくるか、ということだけを考えていました。

(Mは胎内にいましたが)TやSは原発事故時に既に生まれて来ていたので、これから子どもたちに起きることも、白血病や各種のがんくらいだろう、と思っていました。

しかし、放射能というのは、T、S、Mの子どもたちにさらに大きなものになって影響が現れるというのを突きつけられました。

 

映像ということもあり、インパクトのありすぎる映画でしたが、自分の認識の甘さを修正してくれたように思います。

 

原発放射能の被害に関してはさまざまな意見があり、議論の重要性も認識しています。しかし、僕は子どもたちの健康や子どもたちの将来を最優先にして考え、行動するために、これらの件について僕が誰かと何が正しいか間違っているかという議論するつもりはありませんし、何か議論となるようなことばを投げかけられても応答出来ませんので、ご了承ください。