映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「最愛の子」

最愛の子(字幕版)

 

映画『最愛の子』オフィシャルサイト

 

作品データ映画.comより)

原題 親愛的 Dearest

製作年 2014年

製作国 中国・香港合作

配給 ハピネットビターズ・エンド

上映時間 130分

映倫区分 G

 

物語(オフィシャルサイトより)

2009年7月18日。中国・深圳。 下町で寂れたネットカフェを経営しているティエンは3歳の息子ポンポンと二人暮らし。ポンポンは週に一度離婚した元妻のジュアンと過ごしていた。ある日、近所の子どもたちと遊びに出かけたポンポンは、母親の車が通りすぎたことに気づきあとを追いかける。だが、母親の車を見失ったポンポンを、何者かが連れ去ってしまう。

 

夜になっても帰ってこないポンポンの捜索願をだすべくティエンは警察に電話するが、警察は「失踪後24時間は事件として扱えない」という。自力で捜そうと、駅に向かうがポンポンは見つからなかった。その後訪れた警察署で見た防犯カメラの映像には、男がポンポンを抱いて連れ去る姿が映っていた。署を出る際、ジュアンは「息子を返して!」と泣き叫ぶ。

 

その日から、ティエンとジュアンの息子捜しが始まった。インターネットで情報提供を呼びかけ、携帯電話番号を公表するが、かかってくるのは、報奨金目当ての詐欺かいたずらの電話ばかり。脅して金をせびろうとする者まで現れる。

罪の意識と後悔に苛まれながら、ポンポンを捜し続けるティエンとジュアン。ポンポンの失踪から3年が経った2012年の夏のある日、ティエンの携帯に着信が入る。ポンポンと見られる男の子が安徽省にいるという。安徽省の農村を訪れたティエンとジュアンはついに息子を見つけ出すが、6歳になったポンポンは両親であるティエンとジュアンをまったく覚えていなかった。

 

ポンポンが「母ちゃん」と慕うのは、ホンチンという“育ての親”だった。ホンチンは「私が子どもが産めないから、夫がよその女に産ませて3年前に連れてきた」と主張するが、一年前に死んだ彼女の夫が3歳のポンポンを誘拐し安徽省に連れてきたのだった。初めて知らされる事実に困惑するホンチン。

 

それから半年後。ティエンとジュアンは、いまだに「家に帰りたい」と言うポンポンの愛情を何とかして取り戻そうと、日々心を砕いていた。そしてホンチンもまた、我が子を奪われた母として、深圳へと向かう。それぞれの親たちの思いは、届くのだろうか――。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

感想

この映画は、僕が観たいと思っていて、TSUTAYAディスカスで漸く借りて観ることが出来ました。

 

上に載せたストーリーを読むと、物語の全体がすべて分かってしまいますが、それでもこの映画は多くの人に観てもらいたいな、と思いました。

 

中国での幼児誘拐はこれまでいくつかの報道で知っていましたが、映画というフィクションで描かれているとは言え、どのようなことが起きるのかを、リアリティを持って伝えているように感じました。

 

誘拐されてしまった時の自分の行動を悔やむ親、そこから何とかして探そうと必死になり、わらをも掴もうとする姿勢、それを利用してお金をむしり取ろうとする人たち、誘拐されたということ自体覚えておらず育ての親を本当の親だと思っている子どもたち。

 

誘拐されて連れてこられた村で、誘拐された子どもを本当の親たちが連れ去ろうとする際、村人たちが追いかけてきます。

最初、村人たちにとっては、それも目の前で起きている「誘拐」だから、必死に追いかけるのかな、と思ったのですが、小さな村であれば、当然、子どもが突然現れたことは分かるはず。

突然現れれば、その子が何故突然やって来たのか想像がつくはずで、その時点で警察などに届けることも出来る訳です。

でも、それをしないで受け入れていた。

 

本当の両親、子ども、育ての親ということを軸に描かれていくものの、それらの周囲にいる人たちの存在というか、その人たちの意識、行動も実は大きな影響があるのだな、と感じました。

 

村人たちが受け入れていたということは、それほどこの子どもの誘拐は、特に地方では一般的とまでは言えなくても、有り得ること、ということなのでしょうか。