映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「家路」

先日観た映画です。

 

家路 [DVD]

 

内容はというと、原発の近くに住んでいた家族の物語で、避難所(仮設住宅)で生活する継母と兄家族と東京から避難区域内の実家に帰って生活し始めた弟(継母の子)が並行して描かれます。

 

生活費を稼ぐために兄嫁はデリヘルで働き、職もなく日々悶々としながら過ごす兄、そして、少しずつボケてきた継母(陰の薄い孫)、それぞれにリアリティを感じさせるものでした。

 

そして、1人実家に帰ってきた弟。

田を耕し、稲苗を作り、田植えをし始め、そこに中学の同級生がふらっと現れ数日間ともに過ごします。

 

どれもリアリティを感じされるのだけれども、でもやっぱり最終的には僕には「作り物だよな」という感じがしました。

たぶんそれは、出てくる人がみんな「役者」だからかも知れません。

外国の人にはこの映画に出てくる人が「役者」だろうが何だろうが、「現実はこうなんだ」ということを知らせる意味があるかも知れませんが、でも、僕らにとっては、これは「役者」が演じているものではない現実です。

 

今、この時点でもお金を稼ぐために性風俗で働いている女性はいるし(たとえばこの本などが有名ですね→『それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子』)、立ち入り禁止区域内で生活している人もいる。

僕にはこういう映画を見ることによって、むしろそういう現実を遠ざけてしまっているようにも映りました。

 

(役者が演じる)映画ってことは、フィクションだよね、と。

 

ということで、まだ見ていない「フタバから遠く離れて」をますます見たくなったのでした。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2014年に観た映画ランキング

1 「それでも夜は明ける」

2 「家路」 

3 「そして父になる」 

4 「ネブラスカ」 

5 「小さいおうち」

6 「とらわれて夏」