「あなたを抱きしめる日まで」
昨日に引き続き、TSUTAYAディスカスから送られてきたので観た映画です。
こちらもタイトルだけ見ても「どんな映画だったっけ?」と思ったのですが、観始めてすぐに思い出しました。
アイルランドでの実話を元にした映画で、原題は「PHILOMENA」、Philomenaさんという実在の女性の物語です。
内容はまとめにもなっています↓
アイルランドの「歴史の暗部」に翻弄された女性を描く映画『あなたを抱きしめる日まで』が公開に(NAVERまとめ)
上のまとめでも分かりますが、50年前に10代で妊娠し、修道院(ランドリー)に強制的に入所させられ、子どもが3歳の時にほぼ強制的にPhilomenaさんから養育権を奪い、養子に出されてしまいます。
子どもの50歳の誕生日を前にして、そのときのことを家族に打ち明け、知り合った元BBC記者とともに、47年間会えていない息子を探しに行く、というものです。
その後、息子さんに会えたかどうかについては映画の腰を折ってしまうので書くのはやめますが、一つ明るみになるのは、息子さんも、Philomenaさんも互いに会いたいと願っていて、修道院を通じてコンタクトを取ろうとしていたにもかかわらず、修道院が会わせないように画策していたということです。
Philomenaさんは修道院を恨むような発言はせず、こんなことをされたにもかかわらず、相変わらずカトリックへのあつい信仰を見せているので、そこがとても奇妙というか、もやもやさせられるところです。
Philomenaさんが修道院(ランドリー)で「更正」という名目で働かされていた、その場所の過酷さはこの映画ではあまり焦点になりませんが、以前観た映画を思い出しました。
同じくアイルランドで「更正」の名の下に、ランドリー(洗濯屋)と呼ばれる修道院に送られた10代の少女たちの物語です。
この映画に出てくるマグダレン修道院は1990年代までの70年間「更正施設」としての機能を果たしていました。
厳格なキリスト教(ローマ・カトリック教会)への信仰が根強い地域だからこそこのようなことが起きたのでしょうが、これらの映画で触れられている、「更正のために強制的に入れられる修道院の過酷な状況」、「実子と離ればなれにさせられている状況」だけでなく、ここ10年以上にわたって大きな問題になっている、「神父などによる性的虐待」も入れると、宗教の持つ負の面が見えてくるように思います。
けれども、その中でもPhilomenaさんが相変わらずカトリックへの信仰を捨てずにいる、というその事実が「宗教とは何か」ということを考えさせるものになっているように感じます。
勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆
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1 「あなたを抱きしめる日まで」