『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
先日、リブロ池袋本店に行ってきた際(「閉店間近のリブロ池袋本店へ」)に買ってきた絵本についてです。
この絵本は、絵本を先に知ったのではなく、何かのサイトでこのスピーチの映像を観たことが最初のきっかけです。
インターネット上でも調べると沢山出てくるのですが、絵本に紹介されていた動画を貼っておきます↓
このムヒカ大統領のスピーチを観たことがあって、たまたま本屋さんに行った時に絵本になっているのを知ったのでした。
買ってきてからすぐに子どもたちに絵本を読んだのですが、子どもたち(特に保育園児や小学校低学年)には難しかったようです。
が、多少難しい内容ですが、書いてあることは本当に大切なことだと思います。
ここ数日、池袋やら渋谷やらに行く機会があったのですが、久しぶりにそれらの繁華街に行って思ったのは、【いつも何かを壊していて、いつも何かを作っている】ということでした。
何かを壊し、何かを作り続けないと経済が回らないからそうするのでしょうが、ふと立ち止まって、「それは本当に壊さないといけないものなのだろうか?」「新しくしなければいけないものだろうか?」と考えることが必要かな、と思います。
建築については無知ですが、今の技術を使えば、何百年も保つような建物を作ることは出来るでしょうし、まだ30年だとか40年くらいしか経っていない大きな建物を壊して新しいものにする必要があるのだろうか、と思います。
先日、友人の詩人(ウチダゴウ)が書いていたことにとても共感しました。
大学卒業後に環境保護団体の広告デザインに携わらせてもらっていたのも、環境を守りたいというより、できるだけ美しいかたちで絶滅したい、できるだけ美しいかたちで生態系を還したい(人類の計らいがあろうがなかろうが彼らは彼らなりの力でなんとかするけれど)、という思いでやっていた。(中略)ぼくらが生き長らえたいというより(ぼくらが生き長らえる以上生態系には悪影響だもの)、できるだけ美しいかたちで終わりたいから。銃弾や核ミサイルで終わらせることもできるけれど、美しさに欠けるという点で、だめだ。シャットダウンではなく、フェードアウトしたいのだ。
この「美しいかたちで終わりたい」という感覚に立った時、まだ使えるものを壊して新しくするということが「美しいかたち」とは思えないのです。
こんなことを言えるのも、あまりお金のことを気にせずに生活出来ているという恵まれた状況にいるからかも知れませんが、それでもやっぱりムヒカ大統領のスピーチはとても大切なことを言っているように思います。