映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ラブ&ドラッグ Love & Other Drugs」

 Amazonの作品リストを眺めていたら表示された作品です。
 タイトルはちょっと敬遠してしまう感じでしたが(特にdrugs)、好きな俳優のジェイク・ギレンホールが表紙に映っていたので見てみました。 


ラブ&ドラッグ Love & Other Drugs (字幕版)

 
作品データ映画.comより)
監督 エドワード・ズウィック
原題 Love & Other Drugs
製作年 2010年
製作国 アメリ
配給 エスピーオー
上映時間 113分
映倫区分 R15+

あらすじシネマトゥデイより)
医学部中退の遊び人ジェイミー(ジェイク・ギレンホール)は、その口のうまさとノリでこれまでうまく世間を渡ってきた。彼は何度か転職を繰り返した末、大手企業ファイザー製薬のセールスの仕事に就く。やがて研修後にピッツバーグ配属となり、病院でパーキンソン病を患う美人で若いマギー(アン・ハサウェイ)と出会い……。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 主演のジェイク・ギレンホールは割と好きな俳優なのですが、最初に見たのは「ブロークバック・マウンテン」(2005年)なのですが、割と最近の「プリズナーズ」(2013年)、「ナイトクローラー」(2014年)、「ノクターナル・アニマルズ」(2016年)が印象に残っていて、その前の作品はあまり観ていませんでした。
 なので、この作品で、20代のジェイク・ギレンホールが、コメディタッチの作品に出ている、ということ自体が僕にとってはなんだか新鮮な感じがしました。
 特に最近観ていたジェイク・ギレンホールの作品はシリアスな役が多く、ほとんど笑わなかったり、あるいは立派なひげを蓄えていたりと、若さとかフレッシュさみたいなものはなかったので、かわいい女の子ととりあえずサクッとセックスする軟派な役に面白さを感じました。

 また、同じく主演のアン・ハサウェイもとても良かったです。
 一番良かったのは、その脱ぎっぷりで、下は見えていないものの、パーキンソン病を患っていることで病院で診察を受けるシーンなどでは、躊躇することなく胸を見せ、恋人にはならないけれど、身体の関係を続けているジェイミー(ジェイク・ギレンホール)の家に突然やってきて脱ぎ始めたりと、その脱ぎっぷりが、もったい付けるということがなくて良かったです。
 作品によっては、裸のシーンを「ここは裸のシーンだからよく観ておいてください」とでも観客に見せつけようとするものもありますが、物語の展開としてごく自然な流れでの裸なので、見ている方も(作中で実際言われていたことですが)「きれいなおっぱいだな」と思うくらいでした。

 映画の内容としては、アン・ハサウェイ演じるマギーが患っているのがパーキンソン病ということで、急激な進行がない病気であることや大きな外科的な手術が必要な病ではないということで、「病気を患っている人をどのように受け入れていくか」「病気を患っている人がどう他者に受け入れてもらうか」ということを、ゆっくりと描いていました。

 病状がゆっくり進行する病気や、あるいは劇的な変化や外科手術をあまり必要としない病気を患っていると、本人にとっても、何がその病気によるものなのか、特に精神面ではよく分からなくなってきます。
 自分がイライラしているのは、病気のせいなのか、それとも単に自分がイライラしやすい性格なのか、ということが本人でも分からなくなってくるのです。
 本人にも分からないのに、周りにいる人が分かることはもっと難しく、例えば、自分を邪険にするのは、病気で苦しんでいるからなのか、嫌われてしまうようなことをしたのかが分かりません。

 映画なので、最終的にはハッピーエンドで終わるわけですが、一番印象的だったシーンは、マギーに誘われて行った「パーキンソン病と家族の会」の会場で、ジェイミーと同じようにパートナーを支えている高齢の男性の言葉です。
 ジェイミーが「アドバイスはありますか?」と聞くと、その男性はこう答えました。

すぐに分かれて、健康な相手を見つけなさい。

 
 結婚してから何十年も経ち、その間妻を支え続けていたその男性の言葉に、長年病気を患う人を支え、共に生活することの難しさが表れていると感じました。
 こういう正直な言葉を聞くと、僕のようなHSPうつ病を持っている人間を受け入れてくれる人を見つけることは難しいんだろうな、と思いますが、それでもこの高齢男性のように「そう言いつつも」支え、共に生活してくれる人が見つかると良いな、と思うのと、自分も誰かのそういう相手でありたいな、と思います。