映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ジェーン・ドウの解剖」

 見ようと思っていた作品のリストに入っていた作品で、Amazonプライムで見られるようになったので、見てみました。
 が、自分で苦手だと分かっているホラー作品だったので、なぜ見ようと思っていたのか、自分でも謎です…。


ジェーン・ドウの解剖(字幕版)

 

youtu.be


映画「ジェーン・ドウの解剖」オフィシャルサイト|Blu-ray&DVD 10.4リリース

作品データ映画.comより)
監督 アンドレ・ウーブレダ
原題 The Autopsy of Jane Doe
製作年 2016年
製作国 イギリス
配給 松竹メディア事業部
上映時間 86分
映倫区分 R15+

ストーリー(オフィシャルサイトより)
ある一家が惨殺された家の地下に埋められていた裸の美女“ジェーン・ドウ”の死体。彼女の検死を行うことになった、検死官・トミー(ブライアン・コックス)と息子のオースティン(エミール・ハーシュ) がメスを入れる度に、その死体に隠された“戦慄の事実”が判明し、次々に怪奇現象が発生する。外では嵐が吹き荒れる中、遺体安置所という閉ざされた空間で、逃げ場のない恐怖がはじまろうとしていた……。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 一言、怖いです。
 死者が蘇るというようなシーンもそうなのですが、そもそもタイトルにも入っている「解剖」がメインの展開になり、その解剖シーンがすごくリアルで怖かったです。

 解剖を進めていくときに身体にメスを入れ、骨を断ち、内臓を開いていく。
 皮を剥ぎ、骨を切り、脳を取り出す。
 映画だと分かっていっても、あまりにもリアルですごく怖かったです。

 ジェーン・ドウというのは、身元不明の女性の呼び方だそうで、なぜ彼女が死んだのか、それを特定しようとする検死官トミーとその助手を務めるオースティン親子が、死因を特定しようと解剖を進めていき、その過程で起きる様々な不思議というか恐ろしい出来事が起きていく様子が描かれています。

 結論を言えば、ジェーン・ドウは、魔女としてかつて葬られた女性であること、そしてそれが17世紀くらいであること、今も生きていることが明らかになります。
 彼女の死を確認しようとすることが彼女の魔女としての力を発揮させるようで、その結果として、トミーとオースティンに様々な出来事が襲ってきます。
 彼女の苦しみを解放しようと、トミーがその苦しみを負おうとするのですが、結局全部は負いきれず…。

 魔女に関するものなので、当然聖書も触れられます。
 彼女が魔女としてかつて葬られた女性であることが分かる時には、「レビ記」20章27節の「男であれ、女であれ、口寄せや霊媒は必ず死刑に処せられる。彼らを石で打ち殺せ。彼らの行為は死罪に当たる。」が出てきます。

 けれど、他の部分では触れられることはなく、唯一触れられるのはラストのシーンで、ラジオから「ヘブライ人への手紙」4章という言葉が出てくるのみで、「レビ記」のように節は触れられないので、何を意味しているのかは推測することしかできません。
 内容としては「安息」(休み)に関しての所なのですが、「彼らは決してわたしの安息にあずからせはしない」という意味なのか(つまりこの魔女による出来事は今後も続いていく)、「信じたわたしたちは、この安息にあずかることができるのです」という、トミーの犠牲によって彼女の力は今後安息(休む)することになるということなのか、どちらにも読める箇所になっています。

 恋人のマギーが亡くなるシーンだったり、そもそも部屋から出られずに苦戦するのもラジオからはここ数日快晴が続いていることが言われていたことなど、ちりばめられた伏線も見事だったのですが、未だに分からないのは、最初に彼女の遺体を掘り起こした人がなぜそのようなことをしようとしたのか、ということです。
 その人が掘り起こそうとしなければ最初の事件も起きず、彼女を検死することもなく、新たな犠牲者が出ることはありませんでした。
 今回の事件での最初のきっかけがどんなことだったのかが明らかになれば、もっと良かったと思いました。