「3月のライオン[後編]」
3月のライオン[後編]
作品データ(映画.comより)
監督 大友啓史
製作年 2017年
製作国 日本
配給 東宝、アスミック・エース
上映時間 139分
映倫区分 G
ストーリー(公式サイトより)
桐山零と彼をめぐる人々が、愛を求めて迷い、ためらい、ひるみながらも、それぞれの闘いへと突き進む。
魂がぶつかり合う感動のエンタテインメント〈2部作〉完結!
桐山零の川本家3姉妹との出会いから1年、今年も獅子王戦トーナメントが始まったが、最高峰を目指す棋士たちに様々な試練が降りかかる。トップに立つ将棋の神の子と恐れられる宗谷名人でさえ、ある秘密を抱えていた。一方、零が別れを告げた師匠の家庭は崩壊へと向かっていく。さらに、ある事件が川本家を襲い、川本家の3姉妹を捨てた父親が現れ、耳を疑う要求を突き付ける。強くならなければ大切な人たちは守れない―
勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆
感想
原作の漫画が完結していないので、この後編では、オリジナル部分が多くなっています。
キャストも変わりませんが、川本家と零との関係に割かれる時間が多く、新しい家族を作って出て行った川本家の父親が新しく登場します。
この川本家の父親と零との対立の場面は漫画で読んだ記憶が無かったこともあり、零の気持ちを考えるとキリキリと胸が痛む思いがしました。
父親との対立は覚えていないのですが、川本家、特にひなたがいじめられ、それを思っての零の行動はよく覚えていて、それがこの映画では殆ど描かれていないために、「他の家族の問題に出しゃばっている」感じがしてしまいました。
いじめ自体は描かれているものの、零が具体的にどうやってひなたを支えたのか、どういう行動を取っていたのかが詳しく描かれいないこと、それによって川本家との関係がより一層深まり、その先に突如現れた父親との対立がある、という流れを感じ取れませんでした。
また、この映画だけだと、零が学校でひとりぼっちという感じですが、少しずつ高校でも関係が広がり、その高校での人間関係と川本家の人たちとも関係してくるという展開も、そもそも高校での場面は担任の林田との話す場面しかなく広がっていくことはありませんでした。
原作を大きく崩すことはなかったものの、もっとささいだけれど大事な猫とのやりとりなども漫画やアニメでは可能な表現も、やはり実写では無理で、そういうちょっとした場面がこの作品の良さだと再確認しました。
前回触れませんでしたが、ライバルの二階堂を演じる染谷将太は原作のイメージとは離れているものの、本当に太っているかのように見えて、特殊メイクの技術が格段に上がっているのか、それとも染谷将太が実際に太ったのか分かりませんが、どちらにせよすごいなと思いました。