映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「傷だらけのふたり」

 Amazonプライムでおすすめ作品として表示され、レビューの評価も高かったので観てみました。
 


傷だらけのふたり(字幕版)

 

作品データ映画.comより)
監督 ハン・ドンウク
原題 Man in Love
製作年 2014年
製作国 韓国
配給 アルシネテラン
上映時間 120分

 

あらすじシネマトゥデイより)
闇金の集金係をしているテイル(ファン・ジョンミン)は、実は人情に厚い人間だった。ある日、彼は意識不明の男性の借金を取り立てに行った際に、娘のホジョン(ハン・ヘジン)を好きになってしまう。父親の借金を肩代わりさせられたホジョンは、あろうことかその張本人に借金をちゃらにする代わりにデートしようと提案される。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 物語のプロットとしては、困難な状況にある若い美女に一目惚れした不器用な男が彼女に近づき、最初彼女は嫌がっていたものの、惹かれ合うという展開に加えて、その不器用な男には自分からは誰にも打ち明けない秘密があることが分かる、というものです。

 弱い立場にあるホジョンに強い立場のテイルが近づいていく様子は、立場を利用しての性的な関係に迫るものなので、ホジョンが拒否の態度を明確にしているのでまだ良いものの、微妙な気持ちになりました。
 実際、作品の中には借金を返す為に売春(?)している女性も登場していて、それは完全な人身売買ですし、このホジョンに近づくテイルのやり方も、性的な行為を迫らなくても、人身売買なので、(闇金含め)現実にあることだとしても、気持ちの良い展開ではありませんでした。

 テイルを演じるファン・ジョンミンは多分初めて観たのですが、闇金業者の威圧感を出すところと、ホジョンのことを好きになるものの中々うまく表現できず、関係が深まってもうまく自分の気持ちを表現できない不器用だけれども憎めない(かわいい)感じをとてもうまく演じていました。

 後半の展開に関しては、それを持ち込んだら、泣いちゃうだろうという王道の展開で、涙なしには観られないのですが、それでも実感するのは、ちゃんと伝える、ということの大切さです。
 最初、ホジョンに近づく時もそうですし、最後まで結局、テイルはちゃんと自分の気持ちを伝えることがなく、伝えようと努力しているようにも見えませんでした。
 1回きりの人生とか、最初で最後の恋愛、というような表現を用いることは簡単ですが、そうならば、もっと普段から直接口で伝えられないならば、SNSやメール、手紙などいろんな方法があるので、それらを使って伝えようとして欲しかったな、と思います。