映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

小西明日翔『春の呪い』

 あんまり自覚はないのですが、ストレスが溜まっているのか、積ん読が大量にあるにも関わらずまたネットでポチるようになってきてしまいました…。
 僕にとってネットでポチるのはコーピングでもあるし、自覚していないストレスを認識出来るので、まぁ、電子書籍を買うくらいの金額なら問題ないのですが。

 で、書籍サイトで(本当は違う本を探していたのですが)表示され、気になって見てみた評価が高かったので、その場でポチって読んでみました。
 調べたら、pixivでも最初の何話か読めるようになっていました。
 

春の呪い - pixivコミック

 


春の呪い: 1 (ZERO-SUMコミックス) Kindle版

 

春の呪い 一迅社WEB

 

内容一迅社より) 
妹が死んだ。名前は春。まだ19才だった。
妹が己のすべてだった夏美は、春の死後、家の都合で彼女の婚約者であった柊冬吾と付き合うことになる。夏美は交際を承諾する条件として、冬吾に、春と二人で行った場所へ自分を連れて行くよう提示した。そうして、妹の心を奪った男と夏美の季節は巡り始める――。新鋭が贈る初連載作、待望の第1巻!!

勝手に五段階評価
★★★★☆

感想
 自分では全く忘れていたのですが、この作品、1巻は読んだことがありました。
 2巻までの作品なのですが、1巻が無料で読める時があり、その時は特に響いてこなかったのですが、今回は、最後(2巻)まで読んだこともあり、結構良いな、と思いました。

 一巻目では、仲の良かった妹が亡くなり、その妹の婚約者と期間限定で交際することになった姉と妹の元婚約者とが交際する様子が描かれているのですが、2巻では、それぞれがそれぞれに抱えている亡くなった妹(婚約者)への罪悪感や、お互いに惹かれている気持ちなどが描かれています。

 1巻目だけでしっくり来なかったのは多分、妹とその婚約者が婚約する経緯が「財閥」とか僕とは全く縁のないあまりにもかけ離れた設定であることと、そしてありがちな簡単に死んでしまう「大切な人」というものです。
 実際、人は簡単に死んでしまいますが、「助けてあげられなかった」という罪悪感を持ちこそすれ、その亡くなった大切な人と交際していた人と交際することになったとしても、特に罪悪感は感じないと僕は思います。

 こんな自分が生きていて良いのかと思うことは多々ありますが、あの人が死んでしまったのに自分が生きていて良いのかと思うことはありません。
 それは、僕の人生は僕の人生で、その人の人生はその人の人生だからで、その人の人生を自分が変えることは出来ず、その人が死んだことはある意味仕方がないからです。

 ですが、2巻になるとその部分について2人がどのように考えているのか、あるいどのように考えていたのかがわかって来て、最終的には面白かったです。