映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

和山やま『夢中さ、君に』

 先日紹介した奥田亜希子さんの『心臓』と同じく、アフター6ジャンクション(ラジオ番組)でトミヤマユキコさんが紹介されていた作品です。
 

www.tbsradio.jp

 


夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

 

夢中さ、きみに。 和山 やま:コミック | KADOKAWA

内容紹介KADOKAWAより)
気になる君はうしろの席に――。
古屋兎丸先生も夢中!?
「ずっとワヤマさんのツイッターピクシブで漫画やイラスト拝見してました。実は隠れファンなんです!古屋兎丸
WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。
話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 面白かったです。
 短編集ではあるものの、それぞれの作品に少しずつ繋がりがあり、それも作品の良さになっています。

 この作品での登場人物たちは高校生たちですが、スクールカーストとかも含まれつつも、中学、あるいは以前の学校では全く違う姿を見せていた、周囲からすれば全く違うように見えていたという人物だったり、学年が上がって同じクラスになり警戒していた人物が、実は入学当初に影響を受けた人物だったり。
 本人たちはそれに気付いていないけれど、少しずつお互いが影響を与え合っている姿というのが、自分が高校生ではないからこそ、響いて来ました。

 高校生くらいだとまだまだ出会っている人の数は多くないので、必然的に色んな影響を受けているものだと思います。
 しかも、その影響を受けた人物と再会する機会も多い。

 大人というか学校以外の場に行くと、影響は受けたとしても、もう一度会いたいなと思っていても、1回しか会う機会がなかったり、親しかったはずなのにいつの間にか疎遠になってしまうことがあります。

 それはそれで、イヤな奴、嫌いな奴と一生関わらなくて済むという良さもあるのですが、だからこそ高校生を描いていると言う点を含めてとても優れた作品だと思いました。