映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「はじめてのおもてなし」

 観たいと思っていた作品がAmazonプライムで観られるようになっていたので観てみました。
 今回も新聞の映画評で気になったのでウォッチリストに入れていました。

digital.asahi.com

 


はじめてのおもてなし(字幕版)

 

www.youtube.com

 

映画「はじめてのおもてなし」オフィシャルサイト

 

作品データ映画.comより)
監督 サイモン・バーホーベン
原題 Willkommen bei den Hartmanns
製作年 2016年
製作国 ドイツ
上映時間 116分
配給 セテラ・インターナショナル

ストーリー(公式サイトより)
ミュンヘンの閑静な住宅地に暮らすハートマン家のディナーの席で、母アンゲリカは難民の受け入れを宣言。教師を引退して生き甲斐を見失った彼女は、夫リヒャルトの反対を押し切って、ナイジェリアから来た難民の青年ディアロを自宅に住まわせる。家族ははじめてのおもてなしに張り切るが、大騒動が起きてしまう。さらに、ディアロの亡命申請も却下に。果たして、崩壊寸前の家族と天涯孤独の青年は、平和な明日を手に入れることが出来るのか──?

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 面白かったです。
 日本でもようやく大きく取り上げられることが出てきた「難民」問題。

 今回の話は、欧州でも最も多くの難民を受けいれているドイツを舞台にしています。
 内容は上に載せた公式サイトに書いてあるように、教師の仕事を引退して「生きがい」や「やりたいこと」が見つからないアンゲリカが「何かをしたい」と思って、難民収容施設に行ったことから始まります。
 最初、そこで教師としてのボランティアを申し出るのですが、「足りている」と断られてしまう。
 それでも何かしたいと思った彼女は、表立ってはあんまり表明しないけれど、「難民」に快く思っていない(むしろ嫌悪感を感じている)夫リヒャルトの反対を押し切って難民を受けいれることに。

 2人には子どもが2人いて、超多忙な弁護士でシングルファザーの息子フィリップ、30歳を過ぎても「やりたいこと」や「向いていること」が見つからずに学生生活を続けている娘ソフィ、そしてフィリップの子どもバスティが家族として登場します。
 そこにナイジェリアからの難民であるディアロを迎えるところから物語が始まります。

 基本的にはコメディで、ディアロが過ごしてきた宗教や文化、そして考え方のギャップを面白く描いている一方、何故ディアロが難民にならなければならなかったのか、そこにもちゃんと触れられていて、単にコメディで終わらせることなく、何故彼らが難民にならなければならなかったのか、難民である、他の国から来たというだけで受ける差別や偏見も描かれています。

 そして、それと同時に、バラバラになりかけていたハートマン家がディアロによって結びついていくというのが、「異質な他者」を迎えることによって、受けいれることによって実現するというところがとても良かったです。