映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

安武信吾・千恵・はな『はなちゃんのみそ汁』

先日、新聞で紹介されているのを目にしたと思ったら、知人がブログで紹介していたのを見て、興味が沸いて読んでみました。

興味が沸いたのは、なんと言っても「子どもがみそ汁を作っている」という点です。

 

はなちゃんのみそ汁 はなちゃんのみそ汁
(2012/03/13)
安武信吾・千恵・はな

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この本、色んな読み方が出来るだろうな、と思いました。

・子育ての話

・がん闘病の話

・玄米などを中心とした食事の話

 

現に、千恵さんが生前やっていたブログを軸に、信吾さんが書いているものなので、子育て、がん、食事の話が出て来ます。

ブログ→早寝早起き玄米生活 ~がんとムスメと、時々、旦那~

 

いろんな軸になることが書いてあるので、僕もいろんなことを考えたのですが、一番気になったのは、千恵さんが娘のはなさんについてブログに書いていたこんな言葉です。

 

「勉強もスポーツも何もできなくてもいいです。人様にご迷惑をかけることなく、元気で幸せに生きていてくれたら、それで満足です。」

 

ブログや本で書きたかったこととはかなりずれるところだとは思いますが、この「人様にご迷惑をかけることなく」という言葉が気になって仕方がありません。

先日も友人が「人に迷惑をかけることなく」云々ということをつぶやいていました。

 

僕は、「迷惑かけてもいいんじゃないかな」と思っています。

というか、「迷惑かけなきゃ生きていけないじゃん」と。

だけど、「お互い様だよね」と。

 

あと気になったのは、肺がんを発症した際に頼った医師との関係です。

何故、その医師のことを批判しないのかがよく分かりませんでした。

医師として何かしなければいけない、ということではなくて、人として「信頼関係がなくなったから」といって何もせず(というか手を切って)、死ぬのも「信頼関係がなくなった人たちはみんな死んだ」と言ってしまう、人ってどうなのかなぁ、と。

 

なんだか、批判的なことばかり書いてしまったのは、本の後半部分でこういう話が出て来たからです。

前半は、食事がいかに大切なことかとか、子どもになんとか生きていけるようにとしている母親の姿が見えて、共感出来る部分も単純にすごいなぁ、と思うことが多かったです。

病気を今抱えているかいないかは関係なく、(特に小さな)子どもと生活している人は是非読んでみるといいかな、と思いました。