映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『子どもの最貧国・日本』

昨日は絵本を紹介しましたが、今日は活字です。

子どもの最貧国・日本 (光文社新書) 子どもの最貧国・日本 (光文社新書)
(2008/09/17)
山野良一

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もう、4年前に出された本なので、載っている情報が少し古くなっていますが、逆に言うと、4年前にこの状況だったら、今はもっとひどい状況になっているということを想像できます。

 

著者の山野良一さんは、神奈川県の職員でソーシャルワーカーとして長年働かれ、数年間、アメリカでも大学院のインターンとしてソーシャルワーカーをしていました。

なので、この本では、資料もそうですが、書かれている事例も日本とアメリカのものが多くなっています。

 

前置きはこれくらいにして、書かれていた内容で一番気になったのは(そして、たぶん最後に書かれていたので山野さんも同じだと思いますが)、「(先進国では)多くのお金を稼ぐ人が出てくるほど、貧困は深刻になる」というものです。

「多くのお金を稼ぐ人が出てくれば、再分配が行われ、貧困にある人たちも貧困から抜け出せる」と今までは考えられてきましたが、実際はそんなことはなくて、むしろ、不公平感なども増してしまい、貧困(必ずしも経済面だけではない)が拡大してしまうということです。

まさに、日本はその道を突き進んでいるように思います。

もともと日本は、所得の再分配がほとんど行われていないので(行われても、貧困の是正にまではなっていない)、このまま進むとさらなる貧困層が拡大するのでしょう。

 

自分に何ができるのかは分からず、とても悩ましいですが、今進んでいる道(「社会保障と税の一体改革」)は明らかに誤った道に進んでいると思います。

 

他に気になったのは、居住空間が狭いとそれだけ、ストレスもたまり、学習習熟度も下がる、というものです。

まだ、子どもたちは勉強なんてしていませんが、僕自身がかなりのストレスを抱えているので(何せ、5人もいるので…)、何とかしたいな、と思うものの、こちらも、経済的に無理な情況で、子どものためには良いのだろうけれど、なかなか打つ手がありません。