映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「パラダイス:愛」

気持ち悪い映画でした。

 

パラダイス:トリロジー DVD-BOX +1

 

三部作(愛:神:希望)ですが、TSUTAYAでは一作品ずつのレンタルになっていたので、まずは「愛」を観ました。

とりあえず三部作の予告編を観てもらえればと。

 

 

「パラダイス:愛」のストーリーを簡単に説明すると、「オーストリアの中年女性がケニアのリゾート地に行って、愛を探しながら買春する話」です。

途中、かなり気持ち悪くなったので、一旦休憩を取りました。

 

気持ち悪かったのは、白人中年女性のでっぷりとした裸が何度も何度も出て来るという視覚的(あるいは僕の嗜好的)なものが原因かなと思います。

が、そんなことよりも気持ち悪かったのは、明らかに「お金のため」に中年白人女性とセックスに応じるケニア人男性(若いかどうかは分からないが中年ではない)たちと、「お金のためにセックスに応じている」ということに目を逸らしながら「愛」を探す中年女性の姿です。

 

日常の生活を送っているオーストリアでも見つけられない「愛」をそれが貧富の差があろうがなかろうが非日常の場で見つけられるわけないだろうが、と思うのですが、残念なことにこの中年女性(テレサ)は最初は分からず、途中までかなり頑なに目を逸らします。

 

その姿にものすごく気持ち悪さを覚えたのですが、でも、性が介入しない場面ではこういう「勘違い」は僕も結構したよな、と。

日本人旅行者ということで、あたかも「好意的」に寄ってくる現地人は数多くいました。

最初はそういう人たちの意図がよく分からなかったし、痛い目にあって学んだけれど、でも「お金目当てではない関係」をどこかで期待してしまう自分がいたのも事実です。

「相手もお金目当てなのだろうから、こっちもそれを最大限利用してやろう」という気にもなれなかったり。

 

僕は別に旅行に行って「性的な関係」とか「愛」とかを求めることはないので、この映画のようにこじれる(観てて気持ち悪い)ことにはならないですが、そういうことを非日常の場に持ち込むとかなり厄介だなぁ、と。

 

そして何よりも、「気持ち悪い」とは言っても、そこには「そうしないといけない」日常を生きている人たちがいるわけで、こういう状況をある意味僕らは許容してしまっている、ということ自体にやはり吐き気を感じざるを得なかったりします。

この映画では、中年女性が全くその自分の立場と相手の立場を考えていない(自分は非日常、相手は日常。自分の方が買う側、相手は買ってもらう側)言動というのも、多くの人は無自覚でいるという現実を示しているようにも思いました。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

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