映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「アイアンマン2」

 マーベル作品を最初から見直す一環で、先日の「アイアンマン」に続いて「アイアンマン2」です。
 この作品も前にテレビで放送していたときに観たことがあったと思うのですが、流れで観たわけではなかったので、改めて「アイアンマン」に続いて観てみました。
 今回もTSUTAYAディスカスで安かったので借りて観ました。

マーベル作品【フェイズ1】と呼ばれる6作品は以下の通りです。
アイアンマン」、「インクレディブル・ハルク」、「アイアンマン2」、「マイティ・ソー」、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」、「アベンジャーズ

  


アイアンマン2 (字幕版)


アイアンマン2|ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー


作品データ映画.comより)
監督ジョン・ファブロー
原題 Iron Man 2
製作年 2010年
製作国 アメリ
配給 パラマウント
上映時間 124分
映倫区分 G

あらすじシネマトゥデイより)
パワード・スーツ受け渡しの国家命令を拒否した科学者兼経営者のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。ある日、トニーの前にウィップラッシュ(ミッキー・ローク)なるアイアンマンと互角のパワーを持つ敵が現れたことから、トニーは再びパワード・スーツに身を包みアイアンマンとして立ち上がる。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 「アイアンマン」に続いて観たので、話の内容もよく分かって良かったです。
 マーベル作品の流れでは「インクレディブル・ハルク」が途中に入りますが、「アイアンマン」とは関係せず、アイアンマンだけの流れで理解出来ます。

 秘書ペッパー(グウィネス・パルトロー)との関係が徐々に近づいていく様子や、なぜトニー( ロバート・ダウニー・Jr)からペッパーに社長が交代するのか、ということ、社長としての責務の重さに若干苦しむペッパーの様子や、社長になったことで、さらに変化していくトニーとペッパーの関係も丁寧に描かれています。
 これほど関係が変わっていくと、関係が破綻してしまいそうですが、そもそもが恋人という訳ではなく、一線を引きつつもお互い惹かれ合っていたからこそ成り立つ関係なのかな、という感じがしました。

 また、トニーの友人で空軍中佐のローディ(ドン・チードル)がどのようにして「スーツ」を手に入れることになったのか、ということも描かれています。
 国が武器として「スーツ」を手に入れようという意図がある中で、それに従う素振りをみせつつも、時にトニーとぶつかりながらも、トニーを裏切ることはせずに共に戦うという関係性も魅力的でした。
  
 この作品では、トニーとペッパー、ローディとの関係性がより深く分かるようになっていましたが、一番のテーマは、武器を巡る倫理の問題でした。
 トニーは、国から自分で作り出した「アイアンマン」の「スーツ」を引き渡すことを要求され、拒否します。
 その様子は、国からすれば、わがままだと映ります。
 けれど、ここには、強力な武器になるものを作り出してしまったからこそ、自分だけがその技術を独占しておかなければ、最悪な状態が起きてしまうということへの懸念が感じられます。
 実際に、この作品では、トニーに対抗して、他の技術者や企業が「スーツ」を作り、暴走します。
 自分たちが作り出したものが人を傷つけ、殺すことも出来るからこそ、その技術を提供することにはためらいがあり、また、自分たちが提供しなければ、他の人たちが同じようなものを作ってしまう、という葛藤が起きます。
 武器ではなくても、もっと身近なところでいえば、包丁でも薬でも構わないのですが、結局は、使う人たちの倫理性が問われますし、あるいは、銃のように気軽に手にできない状態であることが、無用な暴力を避けることにもなります。
 これらの倫理的な課題について、特にアメリカは銃社会だということも反映して、武器を作ること、売ること、そして使うことについて、それらの妥当性を観ている人に考えさせる作品になっていました。