映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ボクの妻と結婚してください。」

 Amazonで表示されたので、知っていたことのあるタイトルだったこともあり、観てみました。
 


ボクの妻と結婚してください。

 
作品データ映画.comより)
監督 三宅喜重
製作年 2016年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 114分
映倫区分 G

内容フジテレビより)
余命6カ月、最愛の人に贈る“やさしいうそ”とは?
妻になんて言おう。最初によぎったのはそんな思いだった。
三村修治(織田裕二)、職業は、バラエティー番組の放送作家。12本ものレギュラーを抱え、このところ忙し過ぎるとは思っていた。感じた異変に検査を受けて、下されたのは驚くべき診断だった。すい臓がん。しかも末期。余命6カ月。1日でも長く延命し、家族と静かに過ごす。それこそが正しい最期の過ごし方。だが、どうも面白くない。放送作家として修治は、今までずっと世の中の色々なことを好奇心で『楽しい』に変えて来た。そんな思いから修治は、あれこれ企画を練り始める。
家族に遺せる『最期の企画』。
現在、妻・彩子(吉田羊)は専業主婦。まだ小学生の息子・陽一郎を抱え苦労するだろう。そして気丈そうに見えてもろいところがある。何とかして笑顔にしてあげられないか?見かけたのは結婚相談所の看板。振り返る花嫁。そうだ。修治は思いつく。
自分がいなくなっても、妻が前を向いて進めるように。『妻の結婚相手を探そう!』そんなひらめきを胸に修治は突っ走る。まずは婚活市場を勉強。自身も同僚の手を借りてお見合いパーティーに潜入。さらに元仕事仲間の知多かおり(高島礼子)が現在結婚相談所の社長であると知り、なんとか協力取り付けて、妻にとって最高の結婚相手を探し出してもらう。
『婚活』を続けているとやがて現れる、奇跡のような相手・伊東正蔵原田泰造)。インテリア会社社長。真面目で誠実、加えて独身。まさに命を懸けた一世一代のプロジェクト、そして迎える最高のエンディングとは?
ある夫婦の物語が今、始まる。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 物語の内容としては、癌が分かった主人公修治(織田裕二)が愛する妻と子どもが自分が死んだあとも幸せに暮らしてほしいという願いから、妻に内緒で妻の再婚相手を探すところから始まります。

 フィクションなので、ありえない、と言ってしまえばおしまいですが、物語の内容で良かったのは、「癌」ということをあまり悲壮感を漂わせずに描いていたことです。
 日本で「癌」を扱う場合、末期だとすると、基本的には「かわいそう」という視点で描かれることが多いと感じています。
 死者のうち癌が要因としては1位で約3割という現状なので、末期の癌患者を同じような描き方ばかりのことに疑問を感じていたので、癌の悲壮な面ばかりを強調することなく、残りの時間を自分にとって幸せを感じるものに費やすことで、むしろ楽しそうに描かれていたのがとても良かったです。

 また、俳優陣も、再婚相手となる原田泰造と、妻を演じた吉田羊がとても自然な感じでよかったです。
 特に原田泰造は本当にこういう人だったら、妻の再婚相手に選ぶかも、という感じの人を演じていました。

 自分が癌を告知されたら、戸惑って、受容するまでも時間がかかるでしょうし、精神的にも荒れて、身近な人にも大きな負担をかけると思いますが、その部分が描かれていなかったとしても、「末期癌患者=悲壮感のある人」みたいな描かれ方ではなく、楽しみ、幸せそうな姿が描かれていることが、自分も最後はこうありたいな、と思う作品でした。