映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「レディ・バード」

*今後、 毎日の更新は難しくなるかも知れません。
 なるべく毎日更新できるようにしたいとは思っていますが、ご了承下さい。
 もし、毎日読んで下さっている方がいらっしゃったら、申し訳ありません。
 (念のためですが、うつの悪化など健康面での理由ではありません。)

 

 観たいと思っていた作品がAmazonプライムで観られるようになっていたので観てみました。
 観たいと思ったのは、去年のアカデミー賞で5部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞でも2部門受賞しているということからです。

 


レディ・バード (字幕版)

 

youtu.be

  

『レディ・バード』2018.11.21[Wed] Blu-ray&DVD RELEASE|NBCユニバーサル・エンターテイメント

 

作品データ(映画.comより)
監督グレタ・ガーウィグ
原題 Lady Bird
製作年 2017年
製作国 アメリ
配給 東宝東和
上映時間 94分
映倫区分 PG12

 

ストーリー(公式サイトより)
2002年、カリフォルニアサクラメント
閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称”レディ・バード”)。
高校生活最後の1年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情…。
そして、クリスティンが出した答えとは――。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 賞をもらっているんだから面白いだろう、というような割と雑な感じでチェックしていた作品だったのですが、主人公”レディ・バード”が高校生として生きている時代に僕も高校生で、レディ・バードとは違ってローマ・カトリックではありませんが、僕もキリスト教系の高校だったので、男女や教派の違いはあるものの、かなり重なる部分を感じながら、重なるというか、その時代を思い出しながら観ることが出来ました。

 僕が通っていた学校は当時かなり自由で(制服着用義務もなく、染髪やピアスなどもOKでした。今は男子校だという事以外は全く違う学校になっています)、男子校だったので、学校で男女の出会いというようなことはあり得ませんでした。
 けれど、2002年、つまり9.11の時に高校生だったということは、自分の人生にものすごく大きな影響を与えているとは言えないけれど、全く影響がないわけでもなく、その微妙な時代の雰囲気を丁寧に描いているように感じました。

 ローマ・カトリックの学校なので、制服もあり(多分学費も高い)、礼拝や学校行事では男女一緒だけれど、授業は男女別で、教師であるシスターが「イエス様と結婚している」と言ったり、中絶は絶対にダメだということを女子だけ集められて語られるなど、なんというか、時が過ぎればキリスト教あるあるとして笑えるんだけど、実際に中学生や高校生だとかなりきついなというところが描かれていました。
 だけど、そういう学校にいながら、「何バカなこと言ってんの?」というようにして過ごす生徒たちもいて、この間セックスしたとか、童貞と処女だと思ってたら実は相手はもう何人とも経験していて、すごくショックを受けるとか、その「人生を模索し続ける」という姿そのものが、僕にとっては同時代を生きてきたからよく分かるとともに「今も模索し続けてるよ」と返答したくなるような物語でした。

 最後は一応ハッピーな終わり方になっていますが、親子の関係、自分がどう生きていきたいのかを模索し進もうとする時に反発される中での葛藤やしがらみ、今でこそ若干オープンになってきたけれどもセクシャルマイノリティとして生きる苦しみなど、時代や国に関係なく、共感することが出来る映画だと感じました。