映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「インスタント沼」

 Amazonの作品リストを眺めていたら、オススメ作品として表示された作品です。
 タイトルの意味もわからず、知らない作品だったので、ダウンロードしてから大分放っておいたのですが、ふと観てみたら、面白かったです。
 


インスタント沼


作品データ映画.comより)
監督・脚本 三木聡
製作年 2009年
製作国 日本
配給 アンプラグド、角川映画
上映時間 120分

あらすじシネマトゥデイより)
雑誌編集長の沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、担当雑誌が休刊になり退職。偶然見つかった手紙で知った実の父親に会いにいくと、骨董屋を営む怪しい風ぼうの“電球”という男(風間杜夫)が現れる。“電球”を訪ねるうちに自室で骨董屋をはじめることを思いついたハナメだったが、お宝が眠る蔵の鍵を“電球”に100万円で売りつけられ……。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 主演の沈丁花ハナメを演じる麻生久美子の演技が何よりも良かったです。
 すごくぶっ飛んでいるというわけではないものの、色んな表情を見せるハナメにすごくはまっていました。

 物語の流れ、展開はばかばかしいというか終始笑えるもので、まぁ、かなりありえない設定なのですが、ばかばかしいからといって、「どうでも良い」内容というわけではなく、自分がとても大切に思っていたものが実は何の価値もないとわかったと思ったり、何の価値もないと思っていたものが実はすごく大切なものだとわかったりといったことを伝える内容になっていました。

 サン=テグジュペリの『星の王子さま』を想起させるような、どんなにばかばかしく見えようとも、自分が大切にしているもの・ことって何だろうか、と考えたり、誰かの大切にしているもの・ことを聞きたくなる物語でした。

 また、編集長という立場・地位があったのに軽やかに退職するハナメや、どこでどうやって生きていっているのかわからない”電球”の姿を見ると、コメディでフィクションだということがわかっているものの、まぁ、なんとか生きていけるかもしれないな、という気持ちにもさせてもらいました。
 自分としては、何か辛くなったり、どうにも行かなくなったときにまた観たいと思う作品です。