映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

 少し前に読んだ樹木希林さんの『この世を生き切る醍醐味』、そこで触れられていた作品でそういえば見ていなかったということで、ウォッチリストに入れておいたらAmazonプライムで観られるようになっていたので観てみました。
 


東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

 
作品データ映画.comより)
監督 松岡錠司
製作年  2007年
製作国 日本
上映時間 142分
配給 松竹

あらすじシネマトゥデイより)
1960年代。3歳のボク(オダギリジョー)は、真夜中に玄関の戸を蹴破って帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)にいきなり焼き鳥の串を食べさせられてしまう。オトンに手を焼いたオカン(樹木希林)はボクを筑豊の実家に連れ帰り、妹の“ブーブおばさん”の小料理屋を手伝いながら、女手一つでボクを育て始めるのだった。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 公開されたのが12年前なので、12年前に観ていたらまた違った印象を持っただろうと思う作品でした。
 12年前は今までで一番忙しかった時期で、それは結婚し、子どもが生まれ、家事と育児をしながら、大学院に通い、論文を書いていたからです。
 だから名前だけ知っていたけれど、とても映画を観るような余裕もなく、そのままになってしまい、12年経ってようやく観ることが出来ました。

 12年前だったら、主人公のボクにあまり感情移入出来なかったように思います。
 ボクを演じるオダギリジョーが今の僕と同じような年齢なので、生きている時代は違うけれど、何となく親近感を感じることが出来ました。

 けれど、ちょっと引いて観てしまったのは母親との距離感です。
 一人息子で、ほぼ母親の手によって育ててもらったボクとオカンとの距離感が僕にはわかりませんでした。

 僕は一人親でもなく、一人息子でもない。
 母親を大切だと思う気持ちはあっても、ここまで母子一体と、息子側が思うその気持ちがあまり理解出来ませんでした。

 もしかしたら、これは母子の関係ではなく、僕自身が小さい時から「死」を意識してきたことや、「家族」でも「他人」だと強く思ってきたからかも知れません。

 それにしても、樹木希林の存在感と演技力は、本当に圧倒的だなと感じる作品でした。