「ビューティフル・ボーイ」
ウォッチリストに入れていた作品がAmazonプライムで観られるようになっていたので見てみた作品です。
理由は後に書くとして、まず書いておきたいのは、もし、僕のように精神的に不安定な人は観ない方が良いと思います。
ビューティフル・ボーイ (字幕版)
作品データ(映画.comより)
監督 フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン
原題 Beautiful Boy
製作年 2018年
製作国 アメリカ
上映時間 120分
配給 ファントム・フィルム
映倫区分 R15+
ストーリー(公式サイトより)
成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていた学生ニックは、ふとしたきっかけで手を出したドラッグに次第にのめり込んでいく。
更生施設を抜け出したり、再発を繰り返すニックを、大きな愛と献身で見守り包み込む父親デヴィッド。
何度裏切られても、息子を信じ続けることができたのは、すべてをこえて愛している存在だから。
父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした実話に基づく愛と再生の物語。
勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆
感想
まず、最初に率直に観てみた感想ですが、死にたくなりました。
というか、観ている間ずっと死にたいと思い、観終わったあとでも、あぁ、なんで死ななかったんだ、死にたい、と思いました。
内容は、上に載せた公式サイトに載っているように成績優秀でスポーツ万能な青年(少年)がアルコールやドラッグに依存していく様子が描かれています。
ニック自身からの視点でも描かれますが、同時に父親であるデヴィッドから見えるニックの様子も描かれます。
「父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした実話に基づく愛と再生の物語」とありますが、僕には「再生」の物語には感じられませんでした。
むしろ、一番肝心なところを(わざと?)描いていないように感じました。
一番肝心なところとは、何故ニックがアルコールやドラッグに依存しないと生きていけないのか、ということです。
僕も割と依存体質なので、多分、アメリカにいたら、ニックと同じようにドラッグに手を出し、挙げ句にドラッグだけでなく、銃を手にして自殺していたでしょう。
僕からするとここまで苦しんでいるのに、何故ニックがそうしなかったのか、そうしないのか、不思議でした。
ニックのどんどん強い刺激、強い薬に依存し求めていく気持ちがわかるだけに、何故直接的に「死」に向かわなかったのか、そこがわかりませんでした。
そして、映画として、物語で一番肝心な、ニックが何故ドラッグやアルコールを使わないと生きていけなかったのか、その理由がぼやかされているのが非常に気になりました。
観ていた僕にはこれが原因だろう、と思う部分があるのですが、何故かそれは直接的に触れられず、エンディングクレジットで「ニックは今も8年間の断薬を続けている」と流れるだけです。
その「8年間の断薬」という表面だけ見れば「再生」に見えるかも知れませんが、原因に向き合ったのか、向き合った上での断薬なのかがわからず、物足りないというか、もやもやが残ってしまいました。